原告の訴え棄却…市議会費用弁償返還訴訟
函館市議会の本会議などに出席した市議に日額5000円を支給する「費用弁償」は地方自治法などに違反しているとして、道南市民オンブズマン(大河内憲司代表)の筒井将喜さん(70)=同市湯浜町=ら7人が西尾正範市長を相手取り、2006―07年度の支給額1276万円の返還を求めた住民訴訟の判決が25日、函館地裁であり、東海林保裁判長は「他の中核市の費用弁償額と比較しても、日額5000円は不当に高額であると言えず、議会の裁量の範囲内と認めるのが相当」などとし、訴えを棄却した。原告側は札幌高裁に控訴する方針。
原告側は(1)市議が費用弁償の支給を受けるのは報酬の二重取りに当たる(2)議員が議会に出席することは当然の職務で、費用弁償の支給事由にはなり得ない―などと主張しているが、判決では▽支給理由や実費額を定めることは議会に委ねられた裁量の範囲内▽地方自治法は支給事由を「職務を行うため要する費用」と定めており、職務の中核である会議への出席が支給事由にならないとはいえない―などとし、原告の請求は理由がないとした。一方で、費用弁償制度の是非や支給額について「議会で真摯(しんし)に議論されることが望ましい」とした。
閉廷後の会見で筒井さんは「議会の裁量権を大幅に認めた非常に遺憾な判決」とし、大河内代表は「5000円だから高いとか安いではなく、社会情勢や経済情勢を読めていない」と述べた。
函館市では本年度から費用弁償を交通費の実費支給に変更している。判決を受け、西尾正範市長は「市の主張が認められた。市議の費用弁償については、今後とも適正な執行に務めたい」とコメント同市議会の阿部善一議長は「今後も一層市民に信頼される議会に向け、鋭意取り組んでいきたい」とした。
提供 - 函館新聞社
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