トマト農家・若松さん開発の廃油ストーブに注目集まる
函館市西桔梗町でトマトハウス栽培を手掛ける若松健二さん(60)が開発した廃油ストーブ「フェニックス」が、燃油高騰の中で注目を集めている。燃料コストの大幅な削減が可能なことに加え、燃焼効率が高く耐久性や安全性にも優れており、農業だけでなくコンブの乾燥や工場の暖房用など、幅広い活用が期待されている。
子どものころから物づくりが得意だった若松さんは「農家がコストダウンを図るには、暖房費の節約しかない」と、5年ほど前から廃油ストーブの開発に着手。廃油ストーブ自体はすでに存在していたが、若松さんは長期間の使用を見越した耐久性、安全性にこだわり、温風機能や温水循環機能を備えた試作品を完成。特許も取得し昨年から本格的な販売を開始した。
その後も耐久性を高めるため、通常は使用しないステンレスを使ったタイプに改良。値段は1台200万円で他社の同タイプに比べて1割から2割高いが、若松さんは「1、2年で修理が必要となる鉄製のストーブに比べて、ステンレスを使用しているので格段に長持ちする。自分のハウスでも3台を数年間使っているが、耐久性、安全性ともにまったく問題ない」と話す。燃料の廃油も「ガソリンスタンドなど調達する場所はいくらでもあり、燃料代はほとんど無料に等しい。現在の灯油価格を考えると、ひと冬で150万円から200万円は節約になるので、1、2年で確実に購入代金は回収できるはず」という。
昨年は千葉県の幕張メッセで行われた国際見本市にも展示され注目を集めたが、燃油の高騰が続くここ最近はさらに問い合わせが相次いでいる。若松さんは「実際に性能の高さや耐久性を理解してもらえれば、決して高い買い物ではないはず。コストダウンに加え、廃油を有効利用することで環境対策にもつながる。全道、全国に普及するのが夢」と話している。
「フェニックス」に関する問い合わせは海渡産業TEL0138・49・5011。
提供 - 函館新聞社
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