北ガス函館工場跡地で有害物質検出

 北海道ガス(札幌)は18日、函館工場跡地(函館市万代町8、約1万7000平方メートル)の土壌から、国の環境基準を上回るベンゼンや鉛など7種類の有害物質が検出されたと発表した。いずれも土壌汚染対策法で特定有害物質に規定されたもので、通常は検出が許されないシアン化合物も含まれていた。周辺住民の健康被害や環境への影響はないとしている。

 同社が4月上旬から9月中旬にかけ、同工場跡地188カ所で実施した自主的な土壌調査で判明。土壌からはいずれも最高地点で、基準値の2700倍に当たるベンゼンや230倍のヒ素、15倍の鉛、8・8倍の水銀などが検出された。地下水調査でもベンゼンやシアン化合物の2種類が基準値を上回った。

 同工場は1912年から操業を開始し、64年まで石炭を主原料とし、その後は2006年末まで石油系の原料で都市ガスを製造していた。同社は石炭を主原料にしていた時代に製造過程で発生した有害物質が装置の損傷などで漏れ出した可能性があるとみている。工場は天然ガスへの転換に伴い、07年に解体している。

 同社の稲見雅寿企画副本部長と伊藤広路函館支店長、長尾達環境グループマネージャーの3人が同日午前、同支店で記者会見し、「工場跡地は土壌をアスファルト舗装しているため飛散する恐れはない。周辺地域で地下水の生活利用もなく環境への影響はない」と強調した。函館市による周辺5カ所の井戸水(飲用外)の水質調査でも異常はなかった。

 工場跡地に隣接する民家に住む女性(60)は「驚いた。環境への関心が高まる中、直接的な影響が目に見えないだけに精神的な不安が大きい」と話していた。同社は11月にも敷地内4カ所に地下水をくみ上げる井戸を掘り、拡散防止や水質調査を続けるという。

update 2008/9/19 10:25
提供 - 函館新聞社


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