厳しい残暑、デパートや農作物などに明暗
道南地方は季節はずれの暑さが続き、函館市では18日も最高気温が28・2度を記録し、半そで姿や日傘を差して歩く市民、観光客、水遊びに興じる親子などの姿が見られた。秋物を売り始めたデパートや量販店などはこの暑さにやや苦戦し、逆にソフトクリーム店などは思わぬ商機になっている。収穫期を迎える農産物も一部で生育への影響を心配する声が出ている。
函館市内の9月の天気は8月中旬から下旬にかけて曇天が続いたのとは対照的に、高気圧に覆われ晴れの日が多い。函館海洋気象台によると、18日現在、函館の9月の夏日(25度以上)は12日を数え、平年(4、5日程度)を大幅に上回っている。平均気温も高く、同気象台は「9月だけの夏日の記録をとっていないが、これだけ多いのは珍しい」としている。
8月下旬から衣料品を中心に秋物商戦に衣替えした函館市内デパートは、この暑さで波に乗れない状況。中合棒二森屋店(若松町、井上裕司店長)は「9月の暑さは予想外。衣料品は全体的に昨年に比べ伸び悩んでいる」(営業企画部)とし、丸井今井函館店(本町、金輪浩之店長)は「すでに秋物を中心に品ぞろえし、夏物を改めて売り出すのは難しい。秋物でも薄手の衣類は売れている」(営業計画室)と話す。
土鍋や漬物用のたる、重石などを店頭に並べたジャンボイエロー亀田店(亀田町、畠谷宏幸店長)は「暑さが残っているので商品の動きはまだ鈍い」としている。
一方、好天が集客効果をもたらした業種も。函館酪農公社が運営する函館牛乳あいす118(亀田中野町、太田ゆりあ店長)ではソフトクリームの売れ行きが好調。太田店長は「9月は寒さと台風の影響で売り上げが落ちる月。13―15の3連休も混雑し、7月並みの売れ行き」と話す。はこだてオートキャンプ場(白石町)でも「ピーク時より少ないが、3連休には飛び込みの客が利用した」という。
稲作とネギの栽培を行う北斗市開発の農業岡村陽一さんは「稲作は生育の遅れを取り戻し、夜の気温が下がれば実入りも良くなる」と期待。出荷のピークを迎えているネギについては「雨が降らず水不足。生育が止まらないか心配」と話している。
提供 - 函館新聞社
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