函館の老年人口25・8%

 15日は「敬老の日」。函館市の65歳以上の老年人口は8月末現在、男性2万9091人、女性4万4952人の計7万4043人で、全人口の25・8%を占める。総務省がまとめたことし3月の全国の人口統計によると、同比は21・8%。3月に道が発表した全道は23・0%で、函館市は全国、全道に比べ、高齢化率が高い。特に2005年に合併する前の旧4町村地区や西部地区では30%以上を超え高齢化が進んでいる。

 函館市は2005年8月末で23・2%に達し、この時点で今年3月の全道平均を上回っていた。07年9月には25・0%を超しており、高齢化の進ちょくは早い。同市で最も同人口構成比が高い年代は55―59歳の9・1%で、数年のうちに老年人口はますます増えるとみられる。今年3月現在、全道で人口10万人以上の市(9市)で老年人口の構成比が25%を超えているのは、函館のほか小樽(29・4%)だけだ。

 函館の地域別では、椴法華地区35・2%、恵山地区34・1%、西部地区(市町会連合会西部地区協議会の28町会)33・4%、戸井地区32・4%、南茅部地区31・5%と高い割合。町会別でもこれらの地域内がそれぞれで高い。

 西部地区の高齢化は、高齢者施設に入居する人も多いが、土地や住宅事情もあるようだ。函館山のふもとにある宝来町の老年人口の構成比は38・9%。同町会役員は「町の高齢化は空き家の数と共に増えている」と話す。敷地面積が狭い古い家が多く、2世代住宅を必要としても土地の関係で建てられず、老夫婦だけが残って若い世代は家を離れる。さらに、高齢者が1人暮らしになると施設に入居することが多くなり、空き家が増える。

 最近は、西部地区で空き家・空き地の増加などの課題に対し、さまざまな施策が検討されているが、同役員は「周りの町会は、昔から大きな家に住む人が多く、若い人は残ることができ、家や土地も売りやすいが、当町会はそうはいかない。さらに、空き地は駐車場になることが多く、若い人が家を建てられない」と話す。

 湯川地区の旭岡町会も高齢化率46・4%と高い。同町会で敬老を祝う式典は、農業に携わる高齢者がこの時期に多忙なため、毎年4月に行う。工藤敏夫町会長(63)は「高齢者ばかりとはいえ、まちに元気がないわけではない。農家が多い地域で、若い人が農業に就かず、市中心部に移ることが高齢化の要因。なぜ農家が減るのかなど、一次産業、地域が抱える困難を解決できないのが問題」と指摘する。

update 2008/9/15 12:04
提供 - 函館新聞社


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