新幹線時代へ函館圏、縦貫道整備の熱意不可欠
北海道新幹線新函館―新青森の総合車両基地整備がこのほど七飯町で着工し、2015年度開業に向けたつち音が高まっている。一方で、開業効果を最大限に発揮する高速交通道路網の整備も不可欠。国が見直しを進めている道路整備中期計画の中で、道縦貫自動車道の整備促進に向けた地元の熱意がなければ、それに続く函館新外環状道路の建設促進は達成できない。
新幹線開業に向け、道南で整備促進が課題となっている高速道路網は、国の優先順に(1)国幹道・道縦貫自動車道(2)高規格幹線道路・函館江差自動車道(3)地域高規格道路・函館新外環状道路がある。
このうち函館江差道は木古内―江差間の見直しがされる見通しで、函館IC(インターチェンジ)から函館空港IC間約10`を結ぶ新外環状道路は、道縦貫自動車道の整備が進まなければ推進されない。新外環状道路は新幹線着工前、当時の北側一雄国土交通相が「新幹線開業に間に合わせて整備したい」との意向を示している。
ただ、道縦貫自動車道建設促進道南期成会や函館市新外環道路整備推進室は「黙っていても新幹線開業までに新外環状道路が整備されるという見通しは誤り。地域で縦貫道整備促進の熱意を高め、新外環状道路整備につなげなければならない」と懸念する。
道縦貫自動車道は八雲IC―落部IC間が2010年度、落部IC―大沼ICが2012年度の開業予定で、大沼IC―七飯IC間約10キロは国と道の負担による新直轄方式で整備されることが決まっている。ただ、10キロのほとんどがトンネルで事業費が約760億円と高額。国や道を動かすためには地域で必要性を訴え、実現を目指さなければならない。
新外環状道路の函館IC―函館空港IC間約10キロは、新函館駅と空港のアクセス性を高め、物流機能向上や観光振興など新幹線開業効果を最大限に発揮する。整備費用は約400億円が見込まれており、道縦貫道と結節して整備効果が高まる。
関係者からは「もし地元から縦貫道不要論が出ると、新外環状道路の実現はない。国は必要な道路はつくると言っており、地域の熱意で国を動かすことが何よりも欠かせない」との声がある。来年度からの道路特定財源の一般財源化と合わせ、建設促進運動は正念場を迎えている。
提供 - 函館新聞社
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