官製談合、森町長を起訴

 森町が2005年9月に発注した町消防防災センターの建設工事をめぐる官製談合事件で、函館地検は22日、同町長、湊美喜夫容疑者(79)を競売入札妨害(談合)罪で函館地裁に起訴、釜沢弘・元建設課長(61)を函館簡裁に略式起訴した(罰金100万円の略式命令)。疑惑の発覚から約4カ月半。町のトップが直接関与した官製談合事件は今後、司法の場で全容が明らかにされる。

 同地検は「湊被告はこれまでの調べの中で起訴事実を認めている。釜沢元建設課長は、課長としての立場や関与の度合いなどを総合判断し略式起訴とした」とした。処分保留としていた東急建設の男は起訴猶予とし、同事件で逮捕された9人全員の処分が決まった。

 同事件をめぐって同地検は、工事を落札した共同企業体(JV)を組んだ東急建設の幹部3人、森町内最大手の建設会社星組渡辺土建元社長、渡辺英明(56)、業者側と町の仲介役を務めた函館市内の会社社長藪下宏一(61)と登真人(のぼり・まこんど)(60)の被告6人を起訴している。

 入札に参加した他の4企業体の入札担当者ら6人も書類送検されており、同地検はこのうち5人を不起訴処分、同町内の工藤建設社長(63)を略式起訴した(罰金100万円の略式命令)。

 起訴状などによると、05年9月28日執行の指名競争入札において、工事受注をもくろんだ東急建設の幹部らは、藪下被告や湊被告とかねてから親交のあった登被告を介して、消防防災センター建設工事の指名競争入札に参加できるように働き掛け、星組渡辺土建とJVを組んで参加。湊被告は、東急建設と星組渡辺土建(渡辺被告)が参加できるよう、部下の釜沢元建設課長らに入札参加者指名選考委員会の偽造議事録作成を命じるなどした。業者側の被告らは入札参加業者として指名された他の4企業体の入札担当者らと共謀し、同町内の建設業者事務所などで、4企業体が同JVの指定する入札価格を上回る価格で入札するよう協定を結び談合した。

 同地検は「森町の談合の捜査は終了した。今後、公判の中で事実を明らかにしたい」としている。

update 2008/8/23 15:57
提供 - 函館新聞社


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