森町長が辞職へ…官製談合

 【森】森町発注の町消防防災センターの建設工事をめぐる官製談合事件で、偽計入札妨害(談合)容疑で逮捕、送検された町長、湊美喜夫容疑者(79)が21日、函館市内の拘置場所で接見した弁護士に辞職願を預け、同席した長岡輝仁議長らに「町政に迷惑を掛けている」として、直接辞意を伝えた。辞職願の正式な提出は弁護士が町側と調整した上で行う方針で、湊容疑者は任期を約8カ月残し、37年間務めた町長の座を退くことになった。

 同談合事件をめぐっては、これまでに道警が業者関係者や仲介役の男ら計9人を逮捕、函館地検は6人を談合罪で函館地裁に起訴し、1人を処分保留とした。湊容疑者と町の元建設課長釜沢弘容疑者(61)の拘置期限は22日で満期となり、同地検は同日、両容疑者についても起訴する見通し。

 湊容疑者は1日の逮捕後、談合への関与を一貫して否認しているが、町政の混乱を招いた責任から「議会が辞職してほしいということであれば、現在の地位にはこだわらない」と町側に辞意を伝えていた。町議会では一部議員が臨時議会に辞職勧告決議案を諮る動きがあったが、正副議長が町長に自発的な辞職を促すことで合意していた。

 接見後、長岡議長と中村良実副議長は、湊容疑者の様子について報道陣の取材に応じた。議会での協議経過や、議会の総意を受けて辞職を促しに来たことなどを伝えると、湊容疑者は「分かった」と了承の意志を示したという。中村副議長は「町長はすこぶる元気な様子だった。われわれの話をうなずきながら、聞いてくれた」と話した。

 渡島支庁によると、地方自治法では市町村長が辞職する場合、辞職しようとする日の20日前までに議長に申し出をしなくてはならないが、議会の同意を得た場合はこの期日前でも辞職が可能。辞職願を受理した後、選挙管理委員会が50日以内に選挙を執行しなくてはならない。

容疑者は町職員を経て1971年の旧森町長選で初当選し、旧砂原町との合併後の2005年4月の新・森町長選でも当選。道内の現役首長で最長の通算10期37年にわたり町長を務めている。 

update 2008/8/22 12:17
提供 - 函館新聞社


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