福士被告に懲役26年…せたな学校 職員殺害
せたな町瀬棚区島歌の町立島歌小学校内で1月31日、同校の校務補田村亜衣子さん(当時24)が殺害された事件で、殺人罪や同校校長に対する殺人予備罪などに問われた同町瀬棚区本町、同校元臨時職員福士昌被告(22)の判決公判が21日、函館地裁(柴山智裁判長)で開かれた。柴山裁判長は「身勝手で自己中心的な動機に酌量の余地は全くない」として、懲役26年(求刑・無期懲役)を言い渡した。
柴山裁判長は「用意周到ではないが、大枠では当初の計画通り田村さんを殺害している」と犯行の計画性を認定。校長への殺人予備罪で弁護側が主張した自首の成立については、「自発的に申告したとは言えない」と退けた。
さらに、命ごいをする田村さんを複数の凶器で執拗(しつよう)に殴打し、刃物で刺すなどした犯行態様について「冷酷、残忍で極めて悪質。被害者の恐怖や苦痛は計り知れない」とし、「愛する娘を奪われた両親の喪失感、深い悲しみは筆舌に尽くしがたい」と断罪した。一方で「自分の犯した罪と向き合い、反省を深めている。犯行経緯には社会的未熟性もうかがわれた」と述べた。
閉廷後、退廷する福士被告に、傍聴していた同校の岩井栄一教頭が「(田村さんの)お父さん、お母さん、お姉さんと遺影におわびしなさい」と泣きながら声を掛けると、福士被告は遺族を真っすぐに見つめ「申し訳ありませんでした」と頭を下げた。
判決によると、同被告は昨年9月から12月にかけ、学校経費約21万円を着服。不正が発覚しそうになり、校長を自殺に見せかけて罪をかぶせようとし、校長とともに、犯行の邪魔になると考えた田村さんの殺害を計画。1月31日午前7時半ごろ、田村さんの頭部を手おのや金づちで繰り返し殴打した上、包丁(刃渡り約18センチ)で胸や背中、首などを複数回突き刺すなどし、失血死させた。
提供 - 函館新聞社
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