せたな学校職員殺害/福士被告に無期懲役求刑

 せたな町瀬棚区島歌の町立島歌小学校内で1月31日、同校の校務補田村亜衣子さん(当時24)が殺害された事件で、殺人罪や同校校長に対する殺人予備罪などに問われた同町瀬棚区本町、同校元臨時職員福士昌被告(22)の論告求刑公判が20日、函館地裁(柴山智裁判長)であった。検察側は「動機はあまりにも身勝手。24歳という若さですべてを奪われた被害者に落ち度はない」とし、同被告に無期懲役を求刑し結審した。判決は21日午後2時。

 被告人質問で、同被告は「着服がばれたら、もう誰にも相手にされなくなるのではと思い、すべてを失ってしまうとしか考えられなかった」と供述、学校経費着服(約21万円)の発覚で信用を失うことに恐怖心を感じていたとした。

 検察側は論告で、手おのや包丁などさまざまな凶器で執拗(しつよう)に田村さんの身体を傷つけ、命を奪った行為を「命ごいをする被害者の生命を奪うことにためらいもなく、鬼の所業と言うべき。反社会的で規範意識が欠如している」とした。捜査機関が同被告の自供前に校長の殺害計画を把握していたとし、殺人予備罪の自首も成立しないと指摘した。

 弁護側は「人格的未熟さが招いた事件。着服の発覚を恐れた被告は思考も近視眼的になっていた。被害者のことを思い毎日手を合わせるなど内省を続けている」とし、犯行の計画性を否定した。同被告は「自分自身の考えや行動がどれだけ浅はかで身勝手だったのか、田村さんの気持ちを考えると非常につらく、苦しい」と述べた。

 論告を前に、田村さんの父繁さんは法廷で「(同被告の)貧しい心がとても憎い。亜衣子の無念さを思えば苦しい。娘の命はたったの20万円なのか。娘を生かして返してほしい」と家族の苦しい胸の内を吐露し、厳罰を求めた。

update 2008/8/21 10:28
提供 - 函館新聞社


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