せたな学校職員殺害初公判/福士被告起訴事実認める
せたな町瀬棚区島歌の町立島歌小学校内で1月31日、同校の校務補田村亜衣子さん(当時24)が殺害された事件で、殺人罪や同校校長に対する殺人予備罪などに問われた同町瀬棚区本町、同校元臨時職員福士昌被告(22)の初公判が19日、函館地裁(柴山智裁判長)であった。罪状認否で福士被告は「間違いありません」と起訴事実を全面的に認めたが、弁護側は殺人予備罪は自首が成立するとして免除を求めた。
検察側は冒頭陳述で、教職員の出張経費の着服が発覚しそうになった同被告が、「校長が着服の責任を取って自殺した」ように見せかけようと同校長の殺害を計画。出勤が早く、犯行を目撃される可能性がある田村さんも殺害し、「校長が田村さんを殺害して自殺したようにし、着服と2つの罪をかぶせようと計画した」と指摘。殺人予備罪について「警察は遺書を発見し、被告の供述前に校長殺害計画を把握していた」とし、殺人予備の動機も悪質で免除すべきでないとした。
弁護側は精神面の未熟さが招いた犯行で、「校長に罪をなすりつけるしかないという空想的発想だった。使い込みがばれると友人や周囲から白い目でみられるなどと思い、追い詰められていた」とした。さらに「田村さん殺害後、我に返った被告は恐ろしさを感じ、校長の殺害計画を忘れ、一目散に逃げ出している」とし、計画的ではなく、現実感を欠いた稚拙な犯行だったと主張した。
起訴状などによると、同被告は1月31日午前7時半ごろ、同校ボイラー室で出勤してきた田村さんの頭部を手おのや金づちで繰り返し殴打、理科室から持ち出した包丁(刃渡り約18センチ)で胸や背中、首などを複数回突き刺すなどし、失血死させた。この犯行に先立ち、校長を自殺に見せかけて絞殺する目的で、校長室のパソコンで遺書を偽造し、輪状に結んだロープを用意するなど殺害を準備した。
同被告は昨年9月から12月にかけて、同校教職員の出張経費約21万円を着服。有印私文書偽造、詐欺などでも起訴されている。
提供 - 函館新聞社
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