森町官製談合、湊町長 辞意伝える

 【森】森町発注の町消防防災センターの建設工事をめぐる官製談合事件で、偽計入札妨害(談合)容疑で逮捕、送検された町長、湊美喜夫容疑者(79)が18日までに、弁護士を通じて町に辞意を伝えていたことが分かった。職務代理者の阿部真次副町長が同日の記者会見で、「町長は『議会が辞職してほしいということであれば、現在の地位にこだわるものではない』としている。辞めてもいいということでしょう」と明かした。逮捕から半月以上が経過し、湊容疑者が初めて自らの進退に言及した。こうした状況を受け、町議会は同日、臨時議会で辞職勧告決議案は上程せず、正副議長が接見して湊容疑者に辞職を促すことを決めた。

 阿部副町長によると、弁護士を通じた連絡は12日と18日朝にあり、「『辞職と自分の罪を認めることは別問題』としている。町政の混乱を避けるために辞めざるを得ない(と判断した)のだろう」と述べた。「今後の町政のことや辞職後の選挙も考えられるので『あらためて副町長や議長と相談して考えたい』としている」と述べ、具体的な辞職の時期については明言していないとした。

 一方、町議会は同日午前10時から全員協議会を開き、一部議員から要請のあった臨時議会の開催について協議。この中で阿部副町長から湊容疑者の辞意が全議員に伝えられた。協議会終了後の記者会見で、長岡輝仁議長は「議員からの辞職勧告決議はしないということで意見がまとまった。37年間も一生懸命やって来た町長に対し、辞職勧告決議は耐え難い。正副議長で接見して、自発的な辞職を促したい」と述べた。

 また、近く招集される臨時議会では「『森町消防防災センター工事をめぐる談合事件』調査特別委員会」の設置を議題とする。提案した野村洋議員は、議会の調査権を認める「百条委員会」の設置を求める考えで、「具体的にどの範囲で調査できるのか、我々も初めてのことなので他都市の事例も参考にしたい」と話した。

 同談合事件をめぐっては、道警がこれまでに業者関係者や仲介役の男ら計9人を逮捕、函館地検が13日までに6人を函館地裁に起訴し、1人を処分保留としている。同地検が官製談合の実態解明に向け、取り調べを進めている湊容疑者、元建設課長の釜沢弘容疑者(61)の拘置期限は22日に迫っている。

update 2008/8/19 14:16
提供 - 函館新聞社


前のページにもどる  ニュースをもっと読む


ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです