森町談合、湊容疑者辞意に「当然」「遅すぎる」
【森】「逮捕直後に早く辞職すべきだった」「町民として恥ずかしい」―。森町発注の工事をめぐる官製談合事件で、逮捕、送検された町長、湊美喜夫容疑者(79)が辞職の意向を町に伝えていたことが明らかになった18日、閑散とした町からは深いため息と怒りの声が漏れ聞こえた。10期37年という長期間、森町のかじ取り役を務めてきたリーダーは、容疑者という不本意な立場で、町長の座から降りることを決断した。
同日会見した阿部真次副町長は「(12日の町長からの連絡より)18日の連絡では、より辞めてもいいという心境の変化があったと思う」と話した。町議会は辞意を受け、一部議員が提出に向けて動いていた辞職勧告決議案を撤回。会見した長岡輝仁議長は、湊容疑者に自発的な辞職を望み、「議会の雰囲気を察してくれるはず」と述べた。
協議会に出席した元砂原町議会議長の坂本喜達議員(68)は「(談合の舞台となった町消防防災センターは)旧砂原町との合併特例債を財源にした施設。町民の気持ちを思うと複雑。『罪を憎んで人を憎まず』というが、町議会としては町政を早く正常にしなくてはならない」と話す。過去2回、湊容疑者と町長選を争った松田兼宗議員(52)は「(町長の辞意は)当然と言えば当然」と言い切る。「議会として辞職勧告決議案を出しても良かったとは思う。(議会内には)長年やっている人なので、本人からの辞意を待ちたい思いもあるのでは」と話した。
町内には町長逮捕から半月以上が経過し、疲弊(ひへい)感も漂う。町民からは辞意が遅すぎるとの声が聞かれ、町内の主婦(59)は「役場の職員は町長のゴーサインがなければ何もできない。本人が否認を続けているのはおかしい」と非難した。さらに「町長は湊さんでなければだめだという人がいるが、今のままでは町が寂れていくだけ。町長は2、3期で交代するのがいい」と話し、早くも町政の刷新を望んだ。
別の男性会社員(58)は「事件のはっきりとしたことは分からないが、マンネリ化しないうちに辞めておくべきだった。町民としては情けないこと」と漏らした。
一方、町建設協会の野田剛会長は「本人が決めたことであれば仕方なく、周りがどうこう言うことではない。今後の情勢が急に変わるとは考えづらく、成り行きに任せるしかないだろう」と言葉を選んだ。
提供 - 函館新聞社
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