森町談合、町長ら2人逮捕
【森】森町が2005年9月に発注した町消防防災センターの建設工事入札をめぐる談合事件で、町主導で公正な入札を妨害したとして、道警捜査二課や道警函本捜査課、森署などは1日、森町長、湊美喜夫容疑者(79)=同町上台町=、同町元建設課長で無職釜沢弘容疑者(61)=同町森川町=の2人を偽計入札妨害の疑いで逮捕した。道南の現職首長逮捕は、2006年6月の長万部町長が同容疑で逮捕されて以来。湊容疑者らの逮捕で事態は「官製談合」に発展する可能性が濃くなった。
同事件での逮捕者は同工事を落札した共同企業体(JV)を組んだ東急建設と星組渡辺土建などの業者幹部ら7人に続き8、9人目。湊容疑者は容疑を否認、釜沢容疑者は容疑を認めているという。同課などは同日夜、湊容疑者の自宅や町役場を家宅捜索した。
同課などはこれまでに、7月16日に東急建設(東京)札幌支店土木担当部長、菅沢利昭容疑者(60)ら同社幹部4人のほか、森町内の星組渡辺土建社長渡辺英明容疑者(56)、函館市内の設備会社社長藪下宏一容疑者(61)、同23日には函館市榎本町、自称・自営業登眞人(のぼり・まこんど)容疑者(60)を逮捕している。道警は当初から、町が談合を主導した疑いがあるとみて慎重に捜査を進めてきた。
調べによると、町が05年9月28日に発注した同センター建設工事の指名競争入札で、湊、釜沢両容疑者は東急建設と星組渡辺土建が組んだJVが落札できるよう入札参加業者に働きかけるなどし、これにより、同JVは入札予定価格5億1610万円(税抜き)に対し、5億570万円(同)、落札率約98%と極めて高い数値で落札し、町が主導して談合した疑い。
これまでの調べで、当初、星組渡辺土建は町内の別の業者とJVを組む予定だったが、入札直前に急きょ東急建設との組み替えがあったほか、2社の出資割合を入れ替えるなど、不自然な動きがあったことが分かっており、同課などは入札に湊容疑者の「天の声」が強く働いたとみて、押収した資料などを基に容疑の裏付けを急ぎ、町長主導による官製談合の全容解明を進める。
湊容疑者は1928(昭和3)年森町生まれで、旧制八雲中卒。45年に森町役場に入り、町国保病院事務次長などを経て、71年、同町長選に立候補し初当選。2005年4月、旧砂原町との合併後の新森町町長選でも当選し、通算10期37年は道内の首長で最多当選。湊容疑者は5月の臨時町議会で「事実とは違うと思う」などと述べるなど、一貫して関与を否定していた。
提供 - 函館新聞社
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