上ノ国、湯ノ岱地滑りで治山ダム建設へ

update 2007/8/11 15:09

 【上ノ国】上ノ国町の湯ノ岱国有林で発生した大規模な地滑りに伴い、多量の濁水が流出している問題で、道森林管理局は緊急対策の一環として、大量の土砂がたい積している現場付近で、年内にも治山ダム1基の建設に着手する方針を決めた。

 9日に町役場で開かれた「白水の沢地滑り災害対策連絡会議」で報告した。会議には同局と桧山森林管理署、地元側から町、桧山支庁、農漁協などの職員ら約20人が参加した。

 町は地滑りの発生直後から、国や道に濁水の流出防止に向けた緊急対策を要望。国が治山ダム建設などに要する2億円超の予算化を認めた。

 同管理署によると、地滑りが発生した七ツ岳(957メートル)北側の山腹には、細かな粒子を含んだ粘土質の土砂がたい積。大雨や雪解け水などで再び動き出す恐れもあるという。このため、地滑りを発生源とする土石流が発生した「白水の沢」に、幅80メートル・高さ7メートルのコンクリート製治山ダム1基(容量1700立方メートル)を建設する方針を決めた。

 工事は早ければ10月にも着工。来年1月以降の完成を目指す。同管理署は「ダムは大きな岩や土砂を止めることが目的。細かな粒子は沈殿させることが、土砂の移動を防ぐことで難しいが一定の効果は得られるのではないか」と話している。

 また、斜面がU字型に崩壊した地滑りの下部にも、たい積物の移動を防ぐため、地盤の変形にも耐えられる鋼鉄製ダム(鋼製自在枠)を2基設置する方向で検討を進めるほか、現場付近の地質や地下水などの総合的な調査を行い、今後の対策も検討するという。

 町内では地滑り発生後の5―6月に、白水の沢にたい積した多量の土砂が雨水などで浸食されて多量の濁水が発生。濁水は下流の天の川を通じて日本海に流出した。

 町は天の川を水源とする農業用水の施設や魚介類への影響が懸念されていたが、これまでのところ農漁業被害の報告はなく、7月以降は濁水の流出も小康状態を保っている。

提供 - 函館新聞社



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