桧山でナマコ資源増殖へ種苗育成や追跡調査
update 2007/8/8 15:35
【奥尻、八雲】道水産林務部は、中国への輸出急増に伴い価格が急騰しているナマコ資源の増大に向けて、種苗の生産や放流の技術開発を進めるため、道内で初めて桧山管内をモデル地区に選び、種苗の中間育成や放流追跡調査を行うことを決めた。
事業はひやま漁協(乙部町・市山亮悦組合長)を主体に実施する。事業期間は本年度から2013年度までの7年間。本年度は種苗購入などに約2263万円を計上した。
本年度から、ナマコの生息環境の詳細な調査や放流に適した海域を把握するとともに、3年間にわたり道栽培漁業振興公社が生産する体長約5ミリの種苗を年間100万個ずつ、奥尻町と八雲町熊石の施設で受け入れ、放流に適した大きさになるまで中間育成する。道、自治体、漁協の協力により地元での育成技術の普及も目指す。
ナマコ種苗の生存率は2分の1程度といわれ、1年間で15ミリ程度の大きさに育った種苗を50万個ずつ奥尻島周辺海域に放流する。放流事業は来年度から3年間を予定。13年までの事業期間中、函館水産試験場を中心に種苗の追跡調査を行い、生存率や放流地点からの分散状況を調べることで、安定した放流技術の開発や資源管理の在り方につなげる考えという。
同部のまとめによると、2000年に道内のナマコの水揚げ量は1544トンだったが、中国への輸出急増で、昨年度は2600トンに増大。1キロ当たりの単価も657円から2500円に急騰した。漁獲量の急増に伴う資源保護とともに放流による資源増殖に向けた技術開発が課題になっている。
提供 - 函館新聞社
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