函館市財政に打撃…交付税大幅減

update 2007/8/6 12:52

 国からの配分が決まった本年度の普通交付税で、函館市は臨時財政対策債を含めた歳入見通しが、本年度当初予算と比較し約14億円不足する結果となった。前年度実績と比較しても約13億円の減少で、市は不足分のねん出に頭を痛めている。経費節減を徹底し、事業の見直しで歳出を抑えるが、不足分は基金を取り崩してしのぐ計画だ。

 市の6月補正後の本年度一般会計予算は1221億5000万円。当初予算で、普通交付税の歳入見通しを327億2800万円としたが、決定額は313億1200万円で14億1600万円下回った。交付税の不足分を臨時に起債で発行できる臨時財政対策債は当初予算通り25億2000万円が認められたが、前年度比では9・3%減となっている。

 市財政課によると、道内では都市部を中心に軒並み、見込みよりも大幅に少ない配分となった。臨財債を含めた当初予算比で札幌が38億円、旭川が18億円、室蘭が11億円、釧路は10億円下回ったという。国が2月に発表した地方財政計画に基づいて交付税収入を見込んだが、同課は「国がどのような基準で算定したのか分からない」と戸惑いを隠さない。

 道の発表によると、函館の場合は、市税収入の増加や生活保護費の減少などを算定理由に挙げている。交付税と並ぶ歳入の柱の市税収入は、税源移譲による増加分や恒久減税の廃止を見込んで前年度比9%増の344億5600万円としたが、国はさらに税収が伸びると見込んだようだ。生活保護費は母子加算の見直し分は減っているが、扶助人員は増えており、国が見込んだほど保護費の減少はないという。

 市は行財政改革で職員や給与を削減し、本年度は13億円の効果額を生み出したが、それも吹き飛んだ形。予想外の不足分を補うため、市はさらなる歳出の削減を図る。事務用品の購入を極力抑えるなど経常的な経費を節減し、事業の見直しや縮小も不可避。ただ、それだけでは14億円のねん出は無理で、市の貯金に当たる財政調整基金と減債基金を取り崩して充てる予定。両基金の残高は6月補正後で17億円。例年、財源不足分に両基金を充てて予算編成しているため、来年度予算は緊縮型にならざるを得ないという。

 同課は「地方財政自体が疲弊している中でこの算定は理解できない」と嘆いている。


◎北斗市は影響少なく

 北斗市の普通交付税と臨時財政対策債は56億7000万円で、当初予算と比較し1600万円の減少にとどまった。同市の本年度一般会計当初予算は173億円。「当初予算に比べ市税収入の増加が見込まれるため、交付税の不足分は税収増でカバーしたい」(市財政課)と、函館市と対照的だ。

提供 - 函館新聞社



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