道南初 救急救命士の益子さん「薬剤投与」認定

update 2007/8/3 12:50

 函館市消防本部の救急救命士で北消防署東雲救急隊長の益子康さん(41)がこのほど、心肺停止状態の患者に「薬剤投与」が可能な救急救命士として道の認定を受けた。道南第1号の認定で、7月16日から必要に応じて救急患者に心拍を再開させる薬剤(強心剤)を投与できる態勢に入った。益子さんは「これで救える命も増えるはず。救命率の向上を目指したい」と意欲に燃えている。

 薬剤投与はこれまで医師にしか許されていなかったが、救急救命士法の改正で昨年4月から、認定を受けた救急救命士の処置も可能になった。不整脈や心筋梗塞(こうそく)などで心肺停止状態となった患者に対し、医師の指示に基づき、点滴を通じてアドレナリンを静脈に注入する。

 益子さんは昨年11月末から、道消防学校(江別市)で薬学や感染症対策などについて学ぶ170時間の講習を受けた後、ことし1月中旬から市立函館病院で50時間の実習を行い、道救急業務高度化推進協議会から認定された。

 同本部によると、昨年救急搬送した患者のうち心肺停止状態だったのは276人に上る。出動現場で薬剤投与ができれば「心拍再開が遅れることによる脳障害などの後遺症を防ぎやすくなり、早期の社会復帰も期待できる」(救急課)という。

 同本部は2日、60歳の男性が家庭内で倒れ、心肺停止状態となった想定で、益子さんらによる薬剤投与の模擬訓練を報道陣に公開。気道確保や除細動、薬剤投与など一連の流れをダミー人形を相手に手際良くこなした。

 益子さんは「救急救命には市民の理解と協力が第一。薬剤投与は一つの手段として有効に活用し、1人でも多くの助かる命を救いたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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