参院選/民主に託した有権者、自民には厳しい声

update 2007/7/31 12:24

 「自民党への天罰」「もっと早くこういう結果になってほしかった」「格差のない政治運営を」―。与党自民党の歴史的大敗となった参院選。道南の有権者からは、自民党への厳しい声と、第1党になった民主党へのエールが聞かれた。また、相変わらず低い函館の投票率に怒りをあらわにするする人も。選挙から一夜明けた30日、有権者の声を拾った。(参院選取材班)


 「自民党にはついに有権者の厳しい審判が下った」とは同市本通の男性会社員(48)。「自民党は、年金記録に対する不十分な対応などこれまでの行いを反省し、姿勢を見直すべきだ」。一方で、参院第1党となった民主党には「批判ばかりではなく、必要な政策を真剣に考えてほしい」と注文を付ける。

 同市入舟町でイカ釣り漁船の手入れをしていた男性(66)は「地方の水産業、農業の人が頑張る姿や、問題点に関心を寄せず、都会ばかり大きくし、格差を生む政治をしてきた自民党への天罰が下った。北海道から選ばれた議員は、新幹線や道路整備も大切だが農水産事業に力を入れ、道民生活を安定させてほしい」と厳しい。

 同市松風町の自営業の男性(55)は「選挙前から閣僚の失言や年金、格差など問題が山積みで、結果は予想通り。長引く景気低迷で、函館の鮮魚や青果の小売店が年間7、8軒なくなる厳しい状況。理想論ではなく、この現実に耳を傾けてほしかった。政権を変えた上で、一般市民が暮らしやすいような政治に向け、一から出直してもらいたい」と話す。

 同市上野町の男子学生(20)も、自民大敗は当然と話し、民主党に望みを託す。「年金や消費税問題など、解決させるために政策を立て、格差のない、良い世の中にしてほしい。当選した人は、自分の掲げた政策を実行して、よりよい環境を整え北海道のために尽くしてほしい」と期待。

 主婦からは、生活の安定を望む声が続いた。同市日吉町の主婦(30)は「地方軽視の自民党のやり方には納得できず、いつも別の政党に投票してきた。今回の結果は同じように感じている人が多いことの表れでは。これからはあらゆる面での格差をなくし、子育て支援を手厚くし、みんなが安心して生活できる環境づくりをしてほしい」。

 同市本通の主婦(66)は「参院選後、消費税が上がるような話も聞いていたが、自民党が大敗したので増税がなくなればいいと思う。今までも増税の際は説明不足で、お年寄りからお金を取るようなことばかり。今後は高齢者にとって住みやすい世の中にしてほしい」。厳しい経済状況下から第1党となった民主党への願いは切実だ。

 高齢者からは、国会運営に不安の声も出た。同市富岡の無職の女性(69)は「ここまで自民党が負けるとは予想していなかった。国民の下した審判だが、政局が混乱して年金問題などへの対策が遅れないか心配。与野党関係なく、国民のための政治を行ってほしい」。

 北斗市の無職の男性(72)は「安倍政権は明らかに不信任の結果が出たのに、総理をやめないし、解散もしないとはおかしい。このまま衆議院と参議院のねじれ現象が続くと、国会運営にも支障をきたすので、はっきり敗北を認めてほしい」と語る。

 安倍政権だけではなく小泉前首相への批判も相次いだ。江差町の男性公務員(52)は「小泉前首相の時からの、国民や地方を置き去りにした早急で強引な改革への不満がついに爆発した」とみる。「交付税削減など地方切り捨ての政治は、小さな自治体にとっては本当につらい。道内では支庁に権限が移されるような仕組み作りを望む」と願う。

 森町の男性会社役員(54)は「小泉前首相の時にこのような結果になるべきだった。自民党は目を覚ますのが遅かったのでは」と指摘。また、今回の国政選挙でも同町や函館の投票率が低いことに驚いたという。「政治に期待しないのか、自分たちの地域、道、国について興味ないのか。いずれにせよ恥ずべきことだ」と憤った。

提供 - 函館新聞社



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