船内でイベント満喫…桧山南部・ふれあい船の旅

update 2007/7/27 11:01

 【江差】江差―奥尻を結ぶ東日本海フェリーの「アブローラおくしり」(2270トン)を貸し切り、巡視船の訓練やスルメイカ漁の見学など、多彩な船内イベントを楽しむ「檜山南部ふれあい船の旅」(実行委主催)が25日夜、行われた。

 江差町など檜山南部を中心に道南各地から応募があった約480人が乗船。高齢者や身体などに障害のある人たちも実行委の呼び掛けで参加した。檜山支庁、町役場、町内の社会福祉法人など大勢のボランティアのサポートを受けながら、3時間に及ぶ船旅を楽しんだ。

 午後6時半にフェリーが岸壁を離れると、沖合では江差海上保安署の協力で巡視船「かむい」(195トン)と函館航空基地所属のヘリコプターによる救難訓練を披露。ヘリから救難隊員が巡視船に降下したり、30ノットを超える巡視船の高速航行など、迫力満点の訓練に、手に汗を握りながら甲板で見守る乗客からは盛んな拍手と声援が送られた。

 日没後の甲板では最盛期を迎えたイカ漁を見学。大勢の子どもたちが集魚灯のまぶしい光で海面を照らす漁船に見入っていた。また、フェリー乗組員によるイカ釣りの実演も行われ、釣り上げたイカをプレゼントする一幕もあり乗客を喜ばせた。

 船内では操舵(そうだ)室の公開や江差謡道会(杉山由夫会主)の民謡ショーも催され、参加者を歌や踊りで楽しませた。町内の主婦(67)は「巡視船の訓練やイカ釣りなど楽しいイベントばかりで感動した。実行委や乗組員の皆さんに感謝しています」と笑顔で話した。

 年齢や障害を越えて住民の連帯感を深めてもらおうと企画された「船の旅」は、休止期を挟んで通算12回目。2004年からは4年連続の開催となる。本年度から道の財政支援が終り実行委単独での運営となったが、田畑栄市実行委員長は「東日本海フェリーをはじめ多くの後援団体やボランティアの支援で過去最高の乗客だった。来年以降も継続開催に向けて努力していきたい」と話していた。

提供 - 函館新聞社



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