ナマコ育成2年目/初日の種苗試験は持ち越し
update 2007/7/26 12:01
函館市は25日、市内浜町の戸井ウニ種苗センターでナマコの種苗育成試験を開始した。2年目となる本年度は、初期段階の個体の減耗を防ぐ対策や、効率的な成長を促すmノの研究などを課題に事業を進める。この日は、23日に戸井や恵山地区の近海で採取した親ナマコ約240匹を10基の水槽に分け、採卵・採精を試みた。
ナマコは、近年、中華料理の高級食材として、主に中国で需要が高い。市は、同センターの施設を利用して、栽培漁業試験研究事業として、ナマコの種苗育成技術確立を目指し、昨年度から実施している。
本年度の試験事業では、初期段階に、稚ナマコを食べてしまう「シオダマリミジンコ」の対策が課題。親ナマコの確保段階から、100―1ミクロン単位で海水をフィルターでろ過し、水中の不純物を除去。合わせて、飼育用水槽や波板などにも、ナマコ以外の微生物などが付着しないようにする。
また、北大大学院水産科学研究院に研究事業費を充て、ナマコの生態解明や放流に適した海域の調査など、基礎研究を委託。現在、北大では、昨年度の試験で誕生したナマコを利用して、初期、中間段階の育成に必要な餌の研究などが進められている。
この日の試験は、ナマコの水温刺激によって卵や精子を放出する性質を利用して、採卵・採精を試みた。水槽の水温を16度から21度にまで上げ、暗室内で状態の変化を待ったが、雄1匹から精子の放出が確認できたのみ。そのほかの個体は反応しなかった。
市水産課では「個体は成熟していた。6月に続いた好天や、今月の天候不順の影響があったのでは」と話し、新たな親ナマコを確保して、27日に試験を再開する方針。
提供 - 函館新聞社
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