9年ぶり 感動の駒ケ岳登山
update 2007/7/22 12:00
【森】1998年10月以来、入山を規制している森、鹿部町などにまたがる駒ケ岳(1131メートル)で21日、専門家が随行し、現地で山の成立や火山のメカニズムを学ぶ「火山勉強会」(駒ケ岳火山防災会議協議会主催)が行われた。函館市民や森、七飯、鹿部各町民ら315人が参加。6合目から頂上までの約1500メートル、標高差約400メートルを登り、眼下に広がる雄大な景色を楽しんだ。
駒ケ岳は42年以降静穏だったが96年の噴火以降、98年、2000年と小噴火を繰り返した。01年に火山性微動を観測以降、目立った活動はない。しかし、前兆現象が乏しく、突然の噴火への恐れもあり、同協議会は入山に慎重な姿勢を見せてきた。
一方、町民や登山愛好家らから登山を望む声が多数寄せられたこともあり、火山を学ぶ機会としてことし、年3回の同勉強会の開催を決定。グループ行動、関係者による安全確認を行うなど防災対策に万全を期して実施することにした。
同協議会は6月下旬、構成する1市3町の住民らを対象に参加者を募集したところ、すぐに定員に達する人気ぶり。札幌、旭川のほか遠くは千葉県から参加があり、小学1年生の女児から79歳までと幅広い年齢層が集まった。
6号目を出発した参加者は約1時間かけ、「馬の背」に到着。森町防災消防対策室の佐藤邦夫室長補佐が、火山のメカニズムや駒ケ岳の噴火の歴史、1996年以降に充実した札幌管区気象台や北大などによる火山観測体制について説明した。この後、96年南火口列や明治火口、昭和4年火口を見学。火口原口中央部にある昭和4年火口前では、火口から立ち上がる噴気や大きな亀裂に参加者は歓声を上げていた。
98年の登山以来、入山を心待ちにしていたという川村隆さん(73)と律子さん(66)夫妻=森町在住=は「昭和4年大火口は以前より大きくなったよう。町民みんなの健康のため、長期開放を願っている」、初登頂した末次(すえなみ)悦子さん(65)=森町在住=は「見渡す限りに広がる景色や火山口に感動。イワブクロなどの高山植物や、シラタマの木などの火山植物で心が癒やされた」と話していた。
同協議会は本年度、8月上旬と9月にも同勉強会を実施する予定。来年度以降の実施は決まっていない。
提供 - 函館新聞社
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