野外劇の意義 将来考える…20周年記念講演会・フォーラム
update 2007/7/20 11:11
函館野外劇20周年記念講演会・フォーラムが19日、函館市内のホテルで開かれた。主催するNPO法人(特定非営利活動法人)市民創作「函館野外劇」の会(フィリップ・グロード理事長)の会員ら約200人が出席。国の特別史跡・五稜郭跡の使用許可を判断した当時の文化庁長官、植木浩さんを招いて、函館野外劇の歩みや意義、将来の展望について考えた。
講演会で植木さんは「私のフランス、私の函館―文化によるまちづくりへ―」と題し、フランスとのかかわりや函館野外劇について語った。
植木さんは1988―90年に文化庁長官を務めた。在フランス日本大使館での勤務歴もあり、当時選考したフランス人留学生のクリスチャン・ポラックさんが、長官時代にグロード理事長を連れてきたことや、五稜郭跡の使用が許可されたいきさつなどに触れた。
文化財の保存と活用、市民参加型の文化活動を柱とする当時の新たな文化政策の流れから、植木さんは「日本とフランス、函館と霞が関、さらに当時の政策がうまくかみ合い実を結んだのではないか」と指摘。「函館は文化による町おこしのパイオニア。文化が経済を引っ張り、まちを活気づける『文化力』の時代に入っている」と述べた。
フォーラムでは西尾正範・函館市長と植木さん、フィリップ理事長がパネリストとして登壇。函館野外劇への評価について、植木さんは「文化財の保存と活用において、函館は日本の文化政策を先取りしている。市民参加という面でも典型的。この火を消さずに花を咲かせ続けてほしい」と激励した。
西尾市長は「ここ数年で芸術性が高まり、よくここまできたと思う。これだけ大きいものを持続するには全市民に広げ、分業して進行管理していかないといけない。市役所もその一役を担う」と語った。
フィリップ理事長は20年続いた秘けつについて「函館の市民性や風土、雰囲気のおかげ。五稜郭は珍しい場所。徳川幕府は野外劇をやらせるために作らせたのでは」とユーモアを交えて話し、会場からは拍手がわき起こった。
提供 - 函館新聞社
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