造船関連会社が工事辞退…旧ドッグ跡地クレーン撤去
update 2007/7/11 09:11
旧函館ドック跡地の大型クレーン2基の撤去問題で、函館市土地開発公社が解体に向けて交渉中だった道外の造船関連会社が、工事の請け負いを辞退していたことが10日、分かった。同社は、海上からのつり上げ方式で撤去するために必要なクレーン船の手配が困難になったためと説明している。
10日の市議会経済建設常任委員会(小山直子委員長)で、渡辺宏身港湾空港部長が明らかにした。
公社によると、同社は2日付の文書で「諸般の事情で辞退することを決定した」と通知し、5日に受領した。理由は「サルベージ会社に海上から撤去をするためのクレーン船の手配を依頼していたが、他の工事の工期延長の影響で手配できなくなり、本年度中の着工が困難になったため」としている。
同社は昨年3月、クレーン解体に向けて実施したプロポーザルで工事を請け負う候補業者として選定され、公社と交渉を進めてきた。公社では、6月中の工事開始を見込んでいたが、工法やスケジュールに関する計画書の提出が遅れるなどし、契約には至っていなかった。
公社は今後、理事会を開き、業者の選定方法や公社独自の撤去なども含め、解体に向けた新たな方法を検討し、「市とも早急に協議したい」としている。
クレーン撤去をめぐっては、2004年に市が委託し、函館どつくが製造元の石川島播磨重工と行った調査で「耐久性がなく、大規模地震の発生で転倒の恐れがあり、きわめて危険」と診断され、05年度までに市は撤去の方針を固めた。
市の試算によると、解体にかかる費用は4億5000万円で、保存のための補修費は9億円。鋼板の腐食やボルト、ナットの欠損部分など、緊急性の高い応急措置的な補修だけでも5億3000万円が必要となる。この場合、数年置きに補修点検や、10年ごとに同程度の補修額の投資が必要となる。
開会中の第2回市議会定例会の代表質問や個人質問で西尾正範市長は「他用途への転用や有効活用も難しい。補修や後年次の維持費など、財政状況を考えると保存は厳しい」などと答弁。市港湾空港部は「解体撤去の方針に変わりはない」と話している。
提供 - 函館新聞社
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