漁業体験で青少年育成
update 2007/7/10 10:19
【乙部】乙部町内の「明和地区青少年を守る会」(宮本知仁会長)は、地域住民の団結で漁業体験や異世代交流といったユニークな青少年健全育成に取り組んでいる。「イカ釣り体験」がこのほど開かれ、児童や保護者がイカ漁などを体験しながら漁業者や高齢者と交流を深めた。
乙部明和小学校(吉田耕一校長)と、農村部にある乙部姫川小(高橋良輔校長)の児童31人が参加した。豊浜・花磯地区の自治会や豊浜船主船頭会(田畑眞成会長)が全面的に協力。第6幸榮丸、伍宝丸、長栄丸の3隻が児童を乗せて沖に出た。
出発式で田畑会長は「豊浜地区は皆さんを応援しています。イカの鳴き声や漁の様子を思い出にしてください」とあいさつ。児童は救命胴衣を着込み笑顔で漁船に乗り込んだ。
田畑会長の第6幸榮丸には児童ら15人が乗船。沖合に出ると船の両側にあるイカ釣りロボットが始動。針を付けた縄が慌ただしく上下してスルメイカを続々と釣り上げた。真っ黒なイカが「キュウ!」と鳴き声を上げ、墨を吐きながらはね回る様子に児童は大喜び。イカが釣り上がるたびに子供たちの歓声が響いた。
漁港に戻ると、ひやま漁協女性部をはじめ、地域の主婦らが新鮮なイカを素早く刺し身やポンポン焼きに。脂が乗ったヒラメの刺し身など海の幸に子供たちは舌鼓を打っていた。
姫川小4年の大橋直季君は「イカを触ったり水をかけられたりして楽しかった。家は農家だけど漁業の仕事も大切だと思った」と笑顔。明和小6年のaオ西美佳さんは「たくさんのイカがとれてうれしかった。姫川の子と一緒に体験ができて良い思い出になった」と語った。
同会が主催するイカ釣り体験は、漁業者や住民との触れ合いを通じ、地域全体で子供たちを見守り育てる独自の取り組み。活動が評価されて昨年度の檜山管内教育実践表彰を受賞した。
同町の阿部喜美夫教育長は「大上段に構えることなく地域で頑張っている大人の姿を伝えることが大切。長年の取り組みで明和校区では地域の一体感が根強い」と話す。
提供 - 函館新聞社
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