地場産の素材使い郷土料理…辻旅館「旅館の母さんが作る昼ご飯」スタート

update 2007/7/9 09:31

 【江差】江差伝統の郷土料理を食べたい―。道内外から訪れる観光客や転勤族の希望に応えて、江差町中歌町の老舗旅館・辻旅館は、前浜で水揚げされた新鮮な魚介類を使った昼食メニューを提供する「旅館の母さんが作る昼ご飯」を始めた。

 江差には地場産のタラやサケなどを使った昔懐かしい三平汁をはじめ、脂の乗った根ホッケの煮付け、近隣の山々で採れる豊富な山菜類を使った数々の郷土料理がある。

 家庭では当たり前に作られる郷土食だが、飲食店や宿泊施設のメニューに上ることは少ないのが実情だ。「普段食べてる物をお客さんに出す訳にはいかない…」(観光関係者)という遠慮もあり、食をテーマにしたイベントなどを除き、魅力ある郷土食が陽の目を見ることは少なかった。「江差の郷土食を多くの人に食べて欲しい」。観光関係者を中心に長年にわたり叫ばれ続けてきた、江差の大きな“宿題”でもあった。

 こうした声を受けて、料理の腕で定評が高い辻旅館が、6月末にスタートしたのがランチメニューだ。「昔ながらの旅館で建物は古いですが、料理で勝負をかけています」と語るのは女将の辻悦子さん(60)。先代の女将から受け継いだ伝統の三平汁、生きている朝イカをはじめとする新鮮な魚介類、従業員が採った山菜など地場産の食材が調理場に集まる。

 6日のメニューは「フキとぬかニシンの三平汁」「ヒラメと朝イカの刺し身」「アスパラとアオヤギのごまあえ」「タケノコとアブラコの煮付け」「キュウリと紅ズワイガニの酢の物」などの6品とお代わり自由のご飯。旬の食材を生かした料理がずらりと並ぶ。

 ランチをうたっているが、夕食メニューでも十分な質とボリュームに、訪れた人は驚きの声を上げる。道外の60代夫婦は「今回の旅行で最大のヒット。海のものはすべておいしいです」と大満足。「次は泊まりで来ます」という観光客も。単身赴任の転勤族の人気も上々だ。

 「まだまだ手探り状態ですが、選び抜いた旬の食材を用意してお待ちしています」と辻さん。ランチは10月第2週までの金・土曜。午前11時―午後2時。女将さんの似顔絵をデザインしたのぼりが目印だ。980円。売り切れ次第終了する。10人以上の場合は随時予約を受け付ける。問い合わせは辻旅館TEL0139・52・0062へ。

提供 - 函館新聞社



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