函館沖 スルメイカ分布密度アップ 過去6年で最高…道南水産試験場6月下旬調査
update 2007/7/8 16:10
6月下旬の道南の太平洋沖のスルメイカの分布密度が、同じ方式の調査を始めた2002年以降最も高かったことが、道立道南水産試験場が行った調査で分かった。函館沖でイカ釣り機1台を1時間稼働させた漁獲数は、平均24・2匹で昨年の6・1匹より大幅に増え、大きさも昨年を上回った。海水温の上昇からイカの北上が早まっていることが要因とみられ、同試験場は「メーンの群れとは言い切れないが、大きな魚群は確実に道南沖に来ている」とみている。
調査は6月25日から29日までの4日間、同試験場の調査船「金星丸」(151トン)が実施。下北半島東沖、浦河沖、恵山沖、函館沖の4カ所で、各地点の表層水温と水深50メートルの海水温、イカ釣り機稼働1時間当たりの漁獲数、水揚げしたイカの大きさを調べた。
各調査点での1時間当たりの漁獲数は、昨年ともに0匹だった恵山沖で10・5匹、浦河沖で18・1匹に達した。最も少ない下北半島東沖でも4・5匹(昨年0・1匹)。4地点の平均は14・3匹で、昨年の1・6匹より大幅に増えた。
水揚げしたスルメイカの胴長は、10センチから21センチ(昨年12センチ―17センチ)。最も多かったのは昨年より2センチ大きい17センチで、ことしは分布量、大きさとも昨年を上回った。
一方、表層水温は、15・2度から18・2度で、昨年より2・4―5・9度高かった。水深50メートルの水温も昨年より2・3―6・8度高い7・7―14・3度に達した。表層水温、50メートルの水温とも02年以降の平均値より1・1―3・7度高く、北上の早まりにつながっているようだ。
同試験場は「現時点では昨年より資源量が増えているとは言い切れないが、北上の早まりが分布密度アップにつながっている」と分析。「漁のピークが早まる可能性もある」と、漁模様を注視している。
提供 - 函館新聞社
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