縄文文化交流センター基本計画、2010年度の開所目指す

update 2007/7/3 10:38

 函館市教委は、南茅部地域にある縄文遺跡群の中核施設として建設を予定している「市縄文文化交流センター」の建設基本計画を策定した。国宝に指定された「中空土偶」をはじめ、発掘された土器、石器など縄文時代にかかわる遺品、資料を展示。年間ベース約7万7000人の来場を見込んでいる。来年度に基本設計と実施設計を終え、2009年度の着工、10年度の供用開始を目指す。

 同センターは、垣ノ島遺跡に隣接する臼尻町551に建設を予定。南茅部地域には、国史跡・大船遺跡や垣ノ島遺跡があるほか、著保内野(ちょぼないの)遺跡からは、道内初の国宝「中空土偶」が出土。遺跡群から数々の貴重な文化遺産が発掘され、同センターはこうした縄文文化の調査研究、情報発信の拠点として期待されている。

 南茅部縄文遺跡群の整備指針となる「函館市南茅部縄文遺跡群整備構想」を昨年3月に策定したことを受け、基本計画をまとめた。

 計画では、広さ約850平方メートルの平屋の施設を建てることを想定。8000平方メートルほどのスペースを広場とし、体験学習や展望・休憩などができるようにする。建物のデザインは周辺環境との調和を図り、垣ノ島遺跡と一体化させる考え。高齢者や障害者に配慮してバリアフリー構造とする。

 室内は、縄文文化に関する展示のほか、研修や講座、体験学習を行う体験学習室を設ける。展示方法としては、総合案内・解説スペース、見るスペースのほか、来場者が直接、資料などに触れるスペース、土器やシカ角の釣り針を作るなど縄文人の生活を体験してもらうスペースを設ける。

 博物館法の規定に基づき、国宝・重要文化財などの資料を借りることができる登録博物館としての認定を受けたい考えで、垣ノ島遺跡のガイダンス施設としての機能も備えた管理運営をしていく方針。

 また、年間利用者数は、大船遺跡埋蔵文化財展示館や近隣のしかべ間歇泉公園などの来場者数を参考に、年間ベースとして7万7000人と推計している。

 管理・運営はNPO法人(特定非営利活動法人)や地元の漁業協同組合、商工業者との連携を視野に入れながら指定管理者制度の導入を検討する。

提供 - 函館新聞社



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