「緑復活へ」広がる支援の輪…上ノ国

update 2007/7/1 12:57

 【上ノ国】荒廃した日本海沿岸にカシワの実(ドングリ)を今後20年以上にわたり植え続けようという「日本海グリーンベルト構想」に取り組んでいる上ノ国町。今春の芽吹きは残念な結果に終わったが、構想に賛同した道南各地の住民から支援の苗が続々と届いている。町は支援の輪が広がりを見せる中、構想実現に向けて意欲を燃やしている。

 町が昨年秋に汐吹地区に植えたドングリ3000個のうち、今春芽吹いたのはわずか6個。ネズミなどの食害や暖冬に伴う土壌の乾燥などが原因とみられている。町はドングリを紙製ポッドで保護したり、種子の植え方を改良したりするなどの対応を検討中だ。

 こうした中、6月19日には事情を知った函館市の男性から「緑の復活に役立ててください」との手紙とともに、海岸沿いの強風や塩害にも強いなど、カシワに似た性質を持つミズナラの苗木1本が町役場に届けられた。

 続いて知内町の男性からも、自宅で栽培したというミズナラの苗150本を贈りたいとの申し出があり、町の担当職員が同町に出向いて苗を受け取った。約20センチの高さに育った苗木は、町農業指導センターで今秋の植樹に備えて大切に管理しているという。

 さらに道南でドングリを植え続けている七飯町の男性も、コナラやブナの苗木4本を携えて町役場を訪れた。緑の復活を目指す住民のネットワークが各地に広がりを見せている。

 相次いで寄せられる支援に工藤昇町長は「6本の芽吹きをきっかけに支援の輪が各地に広がっていることに感謝している。やはり6本の芽は『希望の芽』だった」と語り、構想推進に意を強くしている。

提供 - 函館新聞社



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