市民団体、フジ棚の現状維持を要望
update 2007/6/27 12:46
函館市内の特別史跡五稜郭跡(五稜郭公園)での箱館奉行所復元整備事業に伴い、市教委が移設を検討しているフジ棚について、市民団体「五稜郭藤棚を守る会」(山崎淳子代表)は26日、フジ棚の現状維持などを求める要望書を西尾正範市長、市議会の阿部善一議長あてに提出した。
市教委は文化庁の指導の下、1866(慶応2)年ごろの建造当時の姿を復元するのを前提に整備計画を推進。昨年着工した奉行所庁舎に続き、2009年度に表門の復元工事を予定している。
表門はかつて園内の「二の橋」を渡ってすぐ正面にあるフジ棚の場所にあったとみられる。文化庁などから表門の復元について「正面から石垣がよく見えるように」と指導されたのを踏まえ、フジ棚の移設を検討。今秋にも表門の位置を確認する発掘調査を実施し、フジ棚の場所と合致すれば年度内に移設先や手法などの方向性を示す方針だ。
要望書を出した山崎代表(61)=同市美原3=は、6月中旬に友人や知人を通じて集まった賛同者100人で「守る会」を発足した。
山崎代表は「復元した偽物の門を造るために歴史ある樹木を移設するのは許されない。現在の場所だから土手からの眺めも美しい」と移設に反対し、計画再考を求めている。7月末までに要望書に対し、文書で回答するよう求め、西尾市長との面会も申し入れた。
市緑化推進課などによると、フジ棚は1913年の五稜郭公園開設後、園内の食堂経営者が別の場所に植栽。20年以降に市が現在の場所に移設したという。市教委生涯学習部の須田正晴部長は「初夏の風物詩として市民や観光客に親しまれているので、園内の別の場所で残したい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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