七飯でアイガモ大量死

update 2007/6/23 10:44

 【七飯】道南では珍しいアイガモ農法で米を栽培する七飯町仁山の農業、築城正行さん(54)方のアイガモ約85羽が22日朝、大量に死んだり行方不明になったりしているのが見つかった。死がいは水田やあぜ道などに散乱していた。築城さんは「カラスにやられたのだろう」と肩を落とし、残った十数羽の働きに期待するという。

 アイガモ農法は、水田に放ったアイガモが稲の間を動き回ることで雑草の発育を抑えるとともに、根に刺激を受けた稲が丈夫に育つという。稲の害虫などを捕食する効果もあり、結果的に無農薬や低農薬で稲を育てることになる。

 築城さんの水田は2万4000平方メートル。このうち1万平方メートルで1995年から農薬を使わない有機栽培とアイガモ農法を導入している。ことしは5月下旬に約10万円で150羽のヒナを購入。育った約100羽を放していた。

 ネコやキツネなどからの防護策として、水田の周囲には6000ボルトの電流を常時流している。しかし水田上部に張り巡らせるカラスよけのテグスを、ことしはまだ張っていなかったのが災いした。21日には元気な姿を見られたが、夜が明けると状況は一変。至る所に死がいが散乱し、集めるのにも苦労したという。

 これからアイガモを発注したのでは、稲の成長に間に合わない。また、アイガモ農法の視察予定があった上、稲刈り後のアイガモの出荷先も決まっていた。築城さんは「アイガモがいるから農薬や化学肥料を使っていない。良いことだらけなのに」とパートナーを失い途方に暮れている。

提供 - 函館新聞社



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