北電のデータ改ざんで知内発電所を道が立ち入り

update 2007/2/23 14:04

 【知内】北電による火力発電所でのデータ改ざんを受けて道は22日、原因調査や再発防止策の確立などの措置を行うよう要請するとともに、大気汚染防止法に抵触した知内町と砂川市の発電所で立ち入り検査を実施した。

 知内発電所(同町元町)には、渡島支庁環境生活課と知内、木古内、福島3町の担当職員合わせて6人が訪れた。検査は約1時間半にわたったがデータが膨大なため、同社の発表内容と食い違いがないか確認する程度にとどまった。

 道は、3月下旬までに同社がまとめる最終報告や再発防止策を受け、最終的な対応を決める。 知内発電所で改ざんされたのは@冷却海水量A温排水拡散B煙突から排出されるばい煙C発電機出力―のデータ。設置時に3町と結んだ公害防止に関する協定や地元漁協との協定で、取り決めた基準を守ることや報告が義務付けられている。

 地元漁業に影響がある温排水データ操作は、1983年の設置から2年後の85年度から昨夏までの長期にわたる。地元の60代の男性漁業者によると、「海水温の必要以上の上昇はコンブが早く枯れる」などの影響があるという。このため近接海域を漁場とする上磯郡漁協の本所(同町涌元)は22日、会議を開いて対応を検討している。

 ばい煙の排出ガス量は電気事業法や3町との協定に基づいて報告。しかし、1号機では報告106回中104回、2号機では53回中2回、データを改ざんしていた。

 知内町は、改ざんの多さにあきれながら「信頼関係が損なわれた」と落胆している。同発電所から数百メートルの距離に住む60代の女性は「小学生の孫がいるので健康面で心配」と不安を募らせていた。

提供 - 函館新聞社



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