医療事故で函館市/個人情報配慮し賠償相手は匿名に
update 2007/6/22 10:20
函館市は、旧南茅部町国保病院(現市立函館南茅部病院)で発生した医療事故の損害賠償について、賠償する相手の住所と氏名を伏せて、28日開会予定の第2回定例市議会へ賠償額を定める議案を提出する。相手の個人情報やプライバシーの問題があり、市議会が理事者へ申し入れた。こうした議案で住所、氏名を伏せるのは、函館市議会で初めて。
急性肺炎で2002年3月に同病院へ入院した市内の女性が、別の患者を介してはしかに感染し、脳炎などを併発し言語障害などの後遺症が残った事故。議決事項は約810万円の損害賠償額だが、議案には賠償する相手を「函館市に在住する30歳代の女性」とだけ記している。
総務省は、賠償する相手が誰であるかを伏せての議案審査は難しいとの見解を示している。ただ、個人情報保護の観点から「名前などを伏せる配慮が必要ではないか」との声が議員から上がり、議会運営委員会(能川邦夫委員長)で対応を協議、実名などを伏せて議案の提出を求めることを決めた。議運委によると、中核市35市中、旭川市や船橋市など5市が同様の対応をしている。
議運委の金沢浩幸副委員長は「個人の健康や病状にかかわる内容で、プライバシーの保護が大事と判断した。ただ、誰に賠償するかを議員が知ることは必要。議案など表に出る文書では実名が伝わらないようにするなど、同様のケースに今後どう対処していくかを議運で協議したい」と話している。
提供 - 函館新聞社
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