市内・道南の温泉「安全」…渋谷・爆発事故
update 2007/6/21 10:10
東京渋谷の温泉施設が充満した天然ガスで爆発したとみられる事故を受けて道保健福祉部は20日、道内の温泉施設に注意を喚起する文書を配布することを決めた。道立地質研究所(札幌)によると、爆発する原因となるメタンガスが多量に含まれる温泉は函館市内には少ないが、道南では長万部や知内、上ノ国、厚沢部などの町で含有ガス量の80%を超えている。各温泉ではメタンを放出させるよう工夫しており「安心なので気にせず入りに来てほしい」と訴えている。
同研究所によると、温泉に含まれる天然ガスは(1)窒素(2)二酸化炭素(3)メタン―の3種類に大別される。このうち爆発の原因となるのはメタン。道内では、胆振管内苫小牧から石狩平野を経てロシアのサハリン方面に抜ける「石狩低地帯」がメタンを多く含む地層として有名で、苫小牧で採取されたものは道央圏のガス供給源だ。
道南には196の温泉井戸が存在する。このうち81カ所がある函館市内では、湯の川温泉や谷地頭温泉を含むほどんどの井戸で二酸化炭素が90%を占めることから、同研究所は「函館市内での温泉爆発はあまり心配しなくてよい」とみている。
ただ、同じ函館市内でも旧南茅部地区では窒素が97%、七飯町大沼では窒素が93%、北斗市の旧上磯地区では二酸化炭素が75%と、近距離でも主要な天然ガスの種類や割合が異なる。
道南でメタンの割合が高い地域は、渡島管内は長万部町(90%)知内町(64%)、桧山管内では上ノ国町(89%)厚沢部町(86%)など。これらの地域にある温泉を使用する時の対策として同研究所は、「井戸元で天然ガスと温泉を分離し、メタンを室内にためないようにして」と注意する。
1つの井戸を9軒の旅館で使用する「長万部温泉利用協同組合」では、各旅館から20メートル以上離れた屋外に設置した高架タンクに一度温泉水をためていることから、「タンク内でガスは抜けてしまう」(山村和宏組合長)と安全性を強調。知内温泉旅館ユートピア和楽園は、施設から20―30メートル離れた山中に源泉が自然ゆう出しており、「出た時点で気化してしまうので特に心配はしていない」と話している。
提供 - 函館新聞社
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