油流出事故 異常事態…ことしすでに9件

update 2007/6/19 10:18

 函館港や津軽海峡など函館海上保安部管内で油の流出事故が相次いでいる。ことしの発生件数は18日現在9件(原因不明分も含む)。昨年1年間の海洋汚染防止法違反容疑(油の排出)での検挙件数の約3倍に当たる異常事態だ。同海保は港湾関係者対象の緊急会議を開くなど海洋環境の保全指導に躍起となっているが、抜本的な対策は見いだせず「最終的には関係者の自覚に頼るしかない」(警備救難課)のが現状だ。

 4月に函館港内でカーフェリーから潤滑油約60リットルが海に排出されたのを皮切りに、4月に2件、5月に5件と船舶からの油流出事故が続発。6月も立待岬沖の津軽海峡や函館(入舟)漁港で海面に帯状に浮かぶ油が確認されている。

 道内を所管する第1管区海上保安本部管内の油流出事故の検挙数は12件(同日現在)。このうち道南海域での発生が7割近くを占める事態に陥っている。同課は急増した理由を「環境問題が注目されていることに加え、発見時の通報体制が確立されつつあり、水面下の実態が浮かび上がってきたのでは」と分析する。

 主な流出原因は給油時に燃料があふれ出したり、燃料タンクのバルブの閉め忘れだったり、初歩的なミスがほとんど。流出量はいずれも数十リットル程度だが、「油は牛乳瓶1本分(200ミリリットル)でも海上に流出すれば約100メートルにわたって広がる」(同課)という。

 こうした現状に同海保は5月下旬、漁協や石油関連会社など27機関の関係者を集め、海洋汚染防止法の罰則規定などを指導。巡視船艇によるパトロールや漁船への立ち入り検査も強化しているが、検挙者からは「基本的な確認動作を怠った」「まさか自分がやるとは思ってもみなかった」などと無責任な言い逃れが目立つという。

 同海保は「船の操業時には経験などを過信せず、基本動作の確認を徹底してほしい」と呼び掛ける一方、「迅速な通報が事件、事故を減らすことにもつながる。海上で異常があればすぐに118番を」と話している。

提供 - 函館新聞社



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