桧山沿岸、スルメイカ漁好調

update 2007/6/16 11:20

 【江差】1日解禁の桧山沿岸のスルメイカ漁は、15日現在の水揚げ量が概算で約600トンに達するなど、豊漁を予感させる好調な滑り出しを見せている。桧山管内のスルメイカ漁は2004―05年は深刻な不漁に見舞われたが、06年は3年ぶりに例年並みの漁獲量を確保。昨年に引き続く回復基調に漁業者の期待が高まっている。

 ひやま漁協(乙部町)によると、桧山沿岸のスルメイカ漁は今週前半から本格化。14日は134隻が出漁して合計約80トンの水揚げがあったという。解禁日以降の累計水揚げ量は、概算で約600トンに達し、函館や札幌をはじめ道外にも出荷されている。

 管内では1998年以降、スルメイカの水揚げは減少傾向にあった。深刻な不漁だった2003年6月の水揚げは836トン、04年6月は748トンにとどまった。昨年6月には1カ月で約1600トンの水揚げがあり、過去10年間の平均的な水準に漁獲が回復していた。

 ことしは漁の本格化から1週間ほどで、昨年6月の半分近い水揚げがあったほか、不漁だった03・04年の1カ月間の水揚げをはるかに超えるペースで漁獲を伸ばしており、今月下旬以降の水揚げ増加に期待が高まっている。

 桧山沿岸では例年、6月下旬から7月上旬にスルメイカ漁が本格化するが、ことしは暖冬の影響などで海水温が高く、早い時期から奥尻海峡付近までイカの魚群が北上しているという。同漁協は「6月上旬の早い時期から例年にないペースで漁獲が伸びている。今後の水揚げ増加も期待できるのではないか」と話している。

 沿岸の魚群は7―8月にかけて日本海を北上。9月以降には「戻りイカ」として日本海を再び南下する。漁業関係者は「この時期に大きな魚群が檜山沿岸に分布していれば、秋以降の戻りイカも豊漁が期待できる」と話し、漁獲量の推移に注目している。

提供 - 函館新聞社



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