奥尻空港の就航率大幅アップ

update 2007/6/13 13:22

 【奥尻】2006年3月に新1500メートル滑走路が供用開始した奥尻空港は、空港施設の整備や航空機の大型化で、旧滑走路時代の05年度は年度平均83%だった就航率が、06年度は94・5%と大幅に改善したことが、函館土木現業所(中田敬人所長)のまとめで分かった。

 就航率は、航空ダイヤによる予定便数に対する実際の運航実績を示す割合。05年度は83%だった。濃霧などの悪天候が続いた6月には66・7%、暴風雪に見舞われる2・3月は73・2%と低迷。これに対して06年度の就航率は94・5%で、05年度より11・5上昇。中でも6月は90%と大幅な伸びを示し、冬季も2月(96・4%)、3月(93・5%)と大幅に改善。8、10、11の3カ月は1便も欠航がない100%の就航率を達成した。

 同空港の旧800メートル滑走路時代は、悪天候や濃霧で欠航が相次いだ。冬季には奥尻―江差を結ぶフェリーが欠航することもあり、島外との交通手段が絶たれる状況に陥った。

 新1500メートル滑走路の整備により、滑走路の誘導灯火類が増強され、離着陸が容易になった。また、供用開始に合わせて旧エアー北海道(ADK)が運航していた旧型のツインオッター(19人乗り)に代わり、路線を引き継いだ北海道エアシステム(HAC)が新型のサーブ340B(36人乗り)を導入。同土現は機体の近代化に伴い、全天候性や離着陸性能の向上が図られたことで、就航率が大幅に改善したとみている。

 一方、奥尻―函館線の搭乗率は、ADK時代には50―60%前後だったが、機体の大型化で客席が増加したことにより、本年度に入ってからは月平均30%強と伸び悩んでいる。

 亀谷敏則・檜山支庁長は12日の記者会見で「増便のほか島民が利用しやすい運航時間の設定を検討することも必要ではないか。島内をはじめ奥尻観光のPRなどにより乗客の掘り起こしを図るべきだ」との考えを示した。 

提供 - 函館新聞社



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