ペット飼育に責任と愛情を
update 2007/6/13 13:20
ペットの犬、猫の飼育環境に対する通報が後を絶たない。2006年度に渡島支庁に寄せられたのは、前年度より34件少ない35件だったが、「年によってばらつきがあり、減少傾向には至っていない」(環境生活課)。今月も函館市内で、劣悪な環境で飼育されている犬十数匹が発見され、動物愛護団体に保護された。ペットへの虐待行為は動物愛護法で処罰されるが、虐待の定義があいまいで立件は難しいのが実情。関係者は「飼い主のモラルの問題。責任と愛情を持って飼ってほしい」と訴えている。
捨てられた犬・猫を保護し、新しい飼い主を探す函館ワン・ニャンレスキューのメンバーは言葉を失った。函館市内のとある民家。6畳ほどの1室で犬たちがひしめいていた。床はふん尿にまみれ、ハエなどの虫が飛び交う。「悪臭に目も開けられないほどだった」
飼い主と思われる女性は、同レスキューに対して「引き取り手を探している」と話した。このため市立函館保健所の協力も受け、ラブラドール・レトリバーや柴犬などの犬11匹を緊急保護。不衛生な環境からか、毛が抜け落ちたり皮ふに異常が見られる。
渡島支庁への通報の内訳は、鳴き声などの苦情が多いが、虐待に関する通報も目立つ。「市民の間に虐待への認識が高まっているからでは」と分析する。犬が保護された民家について同支庁は「たくさん飼う場合には特に注意が必要。適切な飼育をしているか適宜チェックし、必要に応じて指導していきたい」としている。
昨年10月には同市内の女(当時36)が飼い猫に十分なmノをやらずに餓死させたとして、動物愛護法違反(虐待)で逮捕された。同法違反による逮捕者は道警函館方面本部管内初だった。昨年の摘発件数はこの1件だけで、ことしは5月末現在ゼロ。
同法では虐待を「愛護動物をみだりに殺しまたは傷つける」「みだりに給餌または給水をやめることにより衰弱させる」などと規定。しかし「例えば餌やり。何回怠ったら虐待に当たるのかなど、線引きが難しい」(生活安全課)という。
同レスキューは、保護した犬を、順次数匹ずつ病院で治療や不妊手術を受けさせた後、新しい飼い主を探す。2匹は妊娠しており、歩行困難な犬もいる。メンバーは「物言わぬ犬に対する明らかな虐待行為。単なる興味だけで飼い集めるのではなく責任を持って飼ってほしい」と憤る。
同レスキューは、緊急保護した犬などの飼育に必要な活動資金、大判のタオルやタオルケットなどの提供を求めている。連絡は同レスキューTEL090・6997・6744。
提供 - 函館新聞社
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