DV相談 06年度も千件超…函館市対策会議

update 2007/6/8 15:01

 配偶者らからの暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)に関する函館市内の相談件数が2006年度は延べ1029件に上ることが、市のまとめで分かった。05年度を298件下回ったが、2000年度以降、相談件数は毎年1000件を超える。加害者から被害者を避難させる保護件数は横ばいで、依然として深刻なケースが後を絶たないのが実態だ。

 7日の市女性に対する暴力対策関係機関会議の定例会で市が報告し、「引き続きDV防止の啓発、相談窓口の周知が必要」と述べた。

 相談件数は市内3カ所の相談窓口から集計。NPO法人(特定非営利活動法人)「ウイメンズネット函館」(古川満寿子理事長)に寄せられた相談は964件と全相談件数の90%以上を占めた。市役所の市民相談が11件、市総合福祉センターの女性・母子相談が54件。

 保護件数は05年度より2件多い47件で、このうち同法人の一時保護施設(シェルター)入居は42件、民生事業協会の施設入居は5件だった。

 同法人によると、06年度は電話相談が05年度より260件少ない559件、面談は18件減の405件。相談件数の減少について「以前は相談するのをためらって電話での問い合わせが多かったが、最近は初めから相談の意思があり、一度で面談を予約する人が増えた。一人で複数回にわたって相談するケースは減った」と指摘。相談機関が増えたことも要因とみられる。

 相談者は20代から60代までと幅広く、男性に対し、女性や子どもへの接近を6カ月間禁じる保護命令を申請したケースがほとんど。原則2週間の一時保護施設入居は、被害者の心の傷の回復、生活再建に要する問題解決に時間がかかるため、延長することも少なくない。

 同法人への相談では、殴るけるなどの身体的暴力だけでなく、「子どもに影響を及ぼすのが耐えられない」というケースが増えているという。また本年度に入ってから「生活費を渡さない」「家から追い出す」など、配偶者を扶養しない経済的暴力の相談も相次いでいる。

 古川理事長は「“デートDV”(交際相手からの暴力)も実はもっとあるはず。DV根絶には大人の再教育も大事だが、若いうちから暴力の芽を摘み、教育する必要がある」と指摘している。

提供 - 函館新聞社



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