称名寺の庭 ツツジ見ごろ

update 2007/6/6 12:55

 函館市船見町18の称名寺(須藤隆仙住職)の庭では、赤や白などのツツジが咲き誇っている。これからシャクナゲも見ごろを迎えるとあり、秋にイチイ(オンコ)の実がなるまで、までさまざまな色彩の変化が楽しめるという。

 称名寺は、1879(明治12)年、現在の函館弥生小付近にあったが、大火で本堂を焼失し、81(同14)年に現在地に移転した。その時、庭を手掛けたのは、江戸時代初期を代表する茶人で、建築や造園にも天才的な才能発揮した小堀遠州の系統を継ぐ庭師といわれる。

 須藤住職によると、小堀系の庭師が手掛けた特徴として、植物が段状に積み重なるように並べられていることが挙げられるという。約700坪の庭の奥には函館山がそびえ立ち、ふもとの木々と庭のコウヤマキなどの木がまとまり、ダイナミックな借景を演じている。

 また、園内に独特な形をした灯篭(とうろう)が小堀式の証になっているという。灯篭は高さ約140センチ。そのうち上部は約40センチあり、まるで虚無僧(こむそう)のいでたち。園内には松尾芭蕉の句が刻まれた石碑もあり、古い時代から函館を見つめる寺の様子を垣間見ることが出来る。庭の見物は社務所に申し込めば自由にできる。

提供 - 函館新聞社



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