函館市自治基本条例/策定も市民参加型で

update 2007/6/6 12:54

 【上ノ国】上ノ国町の湯ノ岱国有林で、大規模な地滑りに伴う土石流が発生してから1カ月が経過した。下流の天の川流域では発生直後から多量の濁水が日本海まで流下したが、これまでのところ懸念された農漁業被害は発生していない。町は多雨期に入り再び水質汚濁が再び激しくなる可能性もあるとみて動向を注視している。

 5月下旬、檜山森林管理署や森林総合研究所(茨城県つくば市)の松浦純生・水土保全研究領域長らが行った現地調査によると、地滑りは七ツ岳(957メートル)北側の標高約500メートルの斜面で発生。融雪水や地下水位の上昇が原因で、幅約150―200メートル、長さ100―150メートル、深さ10―15メートルにわたり斜面が崩壊した。風化が著しい堆積物は、多量の水を含んで著しく流動化。このため土石流が2キロ以上も流下したという。現場周辺には過去の大規模な地滑り跡が多数あり、今回の地滑りも過去の堆積物が再び動き出した典型例という。

 調査では@膨大な堆積物が降雨などで再崩落する可能性があるA地滑り上端にある沼の周辺に亀裂があり現場一帯の地盤が不安定化している―ことも指摘された。同署は現場に隣接する「上の沢タケノコ園」を閉園。周辺に近付かないよう呼び掛けている。

 また、流出が続く濁水は、地滑り末端の堆積物や渓流に貯まった土砂が浸食されて発生。微粒な土砂は下流に沈殿池などを設けても除去が困難という。同署は林野庁と対策を協議中だが、現場が山奥で市街地への被害の恐れが低いため、早急な対応は難しい状況という。

 町によると、6月常住までに農漁業被害の報告は無いという。町内では5月下旬から雨が少なく濁水の流出も小康状態にあるが、多雨期には堆積物の浸食が激しくなり、濁水の流出が活発化する恐れもあるとみて、河川や農業用水などの点検を強化する方針だ。

提供 - 函館新聞社



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