「函館ふるさと紀行」自費出版…郷土史家・近江幸雄さん
update 2007/6/3 11:26
函館市白鳥町の郷土史家、近江幸雄さん(70)は、1997年から99年まで函館新聞に連載した「函館ふるさと紀行」の24話と、91年から99年までタウン誌「はこだでぃ」(休刊中)に連載した「はこだてウオッチング」47話をまとめた「函館ふるさと紀行」を自費出版した。自ら調査、研究した函館の歴史、名勝などを詳しく案内している。約900人が函館歴史文化観光検定(はこだて検定)を受検するなど、函館を知ろうとする人が増えており、近江さんは「函館を知り、広めたいとする人は多い。少しでも参考になれば」と話している。
函館ふるさと紀行は、函館新聞創刊時、毎週日曜に掲載していた。函館市のほか旧上磯町と旧大野町(現北斗市)、七飯町の話題を、各地域の郷土史家が寄稿していた。このうち近江さんが執筆した函館市分24話が収録されている。
高砂通は、願乗寺川として開削された跡地であることや、かつて箱館戦争の舞台だった弁天台場などについて解説。市立函館図書館に収蔵されていた写真や資料などを添え、硬い内容にならない工夫を凝らしている。
「はこだでぃ」は49号で休刊となった。近江さんは、創刊から2度休み、最終刊までに「はこだてウオッチング」を47話連載。函館を散歩するような軽いタッチで紹介している。
それぞれの話には、近江さんの思い出も込められている。「市場と言わない中島廉売」「想いふかし水道道路」など、親しみやすいタイトルを付けている。
近江さんは「10年前の執筆時には存在していたが、今は姿がないものもある。函館の景観は10年のペースではなく、1日ペースで変化している。知らないうちになくなるものがたくさんある」と危ぐし、出版を決意したという。
完成した本を手に「郷土史家として、函館の歴史と文化を後世に伝える義務がある。小さな本だが、活動の小さな明かりを消すことはできない」と力を込める。
A4判、71ページ。200部作製。市内の中学校に寄贈するほか、同市駒場町の浪月堂書店で1部800円で販売中。問い合わせは近江さんTEL0138・43・3058。
提供 - 函館新聞社
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