政務調査費訴訟、函館市に116万返還命じる
update 2007/2/13 15:51
【札幌】函館市議会の2001年度の政務調査費の一部に違法な支出があったとして、「道南市民オンブズマン」の大河内憲司代表ら市民7人が、井上博司市長を相手取り約124万円を市に返還するよう求めた住民訴訟の控訴審判決が9日、札幌高裁であった。末永進裁判長は井上市長に6件・約32万円の返還請求を命じた1審の函館地裁判決を大幅に改め、14件・計約116万円を返還請求するよう命じた。
末永裁判長は政務調査費の交付先が会派であることから、「(使途は)会派としての意思統一がなされ、会派の了承が存在することが必要」と指摘。違法とした各支出を「『会派』が行う調査研究のための支出と言える要件を満たしておらず、使途基準に合致しない」と断じた。
返還を求められた英会話教材費などの7万770円は違法とせず、1審判決を取り消した。 1審では、18件個々の支出内容について「市政との関連性」や「使途基準との合致」について踏み込み、違法性を判断。控訴審判決は、議員個々の調査、研究費を会派としての「共有化」「活用化」の有無で検討し、違法性を認めた。
地裁判決を受け、市側は「支出はいずれも使途基準に反していない」とし、原告側は残る12件の返還を求めてそれぞれ控訴。控訴審判決は、原告側の主張がほぼ全面的に認められる結果となり、原告側は上告しない方針。
判決を受け、函館市の井上市長は「非常に厳しい内容であると受け止めている。判決文を精査のうえ、今後の対応を決めたい」、同市議会の福島恭二議長は「今後とも政務調査費の執行にあたっては適正な運用を図っていきたい」とそれぞれコメントを出した。
提供 - 函館新聞社
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