高専公開講座・「館跡」巡り中世史学ぶ

update 2007/5/20 17:01

 函館高専公開講座「渡島半島東部の中世館跡をめぐる旅」が19日、函館市から知内町一帯で開かれた。45人が参加し、同高専の中村和之教授(北東アジア史)と北斗市教委主査の森靖裕さんが、志海苔館(函館)や茂別館(北斗)などを案内し、歴史を解説した。

 渡島半島には中世(鎌倉―戦国時代)の「道南12館(だて)」といわれる砦(とりで)の跡があり、館を通して道南中世史の理解を深める目的。

 志海苔館、箱館の見学後、参加者は北斗市総合文化センターで同市内の矢不来館と茂別館について学習。矢不来館は道南13番目の館ともいわれ、1999―2000年に一部発掘調査が行われた。

 森さんが調査結果を解説し、「志海苔館の出土品は白磁が多く、矢不来館はそれよりも時代が新しい青磁が見られる。茶つぼのほか、釉薬(ゆうやく)が厚く塗られた磁器などから、平民ではなく武士が使用していたのではないか」と述べた。

 火山灰の地層や出土した古銭などから、矢不来館は15世紀中ごろから16世紀初めにかけて造営されたとみられる。茂辺地川左岸にある茂別館(国指定史跡)の発掘調査はまだ行われておらず、今後の調査で矢不来館との関係や茂辺地川を通した交易などが明らかになる見通しという。

 参加者は出土品を見学し、函館市山の手の無職の男性(73)は「今から5―6世紀前に高度で精巧な磁器が作られており、驚きを感じる」と話していた。中村教授は「ペリー来航以降の函館の歴史はよく知られているが、函館・道南にも中世の遺構や遺物が数多くあることを知ってもらいたい」と期待していた。

 参加者はこの後、茂別館、脇本館(知内)、中野館(木古内)などを訪れた。

提供 - 函館新聞社



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