市営競輪、ファンサービス拡充

update 2007/5/18 14:54

 車券販売の大幅回復を目指す市営函館競輪は本年度、専門情報誌の発行やメールマガジンの配信、定期的なイベント開催、選手会OBが中心になってのファンクラブの設立など、ファンサービスを拡充する取り組みを続けている。金堀町の本場には無料のマッサージチェアも備え、利用客に好評。「あの手この手」でファン開拓と収支改善を進める。

 過去10年の市営競輪の売り上げは、ふるさとダービー(GII)があった2001年度の318億円が最高。景気低迷やファンの高齢化などから減少が続き、05年度は144億円に落ち込み、昨年度は人気の高いレースの開催効果で201億円に回復した。本年度は8月4―7日のふるさとダービーに照準を絞り、当初予算で188億円の売り上げを見込んだ。

 月刊専門情報誌「はこだてSTAR☆LIGHT」は、5月号から発行を開始。函館競輪の1カ月分の出走者やレース展望、各種情報を掲載し、全国の電話投票会員向けの雑誌「ウイニングラン」に同封し送付している。本場や松風場外などで無料配布している。

 今季から始めたメールマガジン「STAR☆LIGHT」は、10日現在948件の登録があり、登録者のパソコンと携帯電話に各レースの狙い目、選手データなどを無料配信している。市競輪事業部によると、登録の大半が本州在住で、ファンが圧倒的に多い首都圏や関西周辺からの電話投票拡大が期待できるという。

 元選手のOB会も動き出し、7月1日をめどに「函館競輪ファンクラブ」の発足を目指している。サッカーのサポーターのような感覚で、地元選手全体のファンクラブをつくり、選手との交流や会員専用の情報誌発行などを企画。同部は「地元選手を盛り立てることで函館競輪の活性化を目指したい」と期待する。

 また昨年、飲食関係の団体からマッサージチェアの寄贈を受けたことから、本年度は同チェアを新たに2台、フットマッサージャーを4台、血圧計を4台それぞれ購入。本場に設置していて、無料で利用できる。競輪歴40年という市内鍛治2の男性(65)は「いつも利用させてもらい、おかげで左腕のしびれがなくなった」と笑顔だ。

 同部の酒井哲美部長は「ふるさとダービーの成功に向け、ファンサービスを充実させるとともに、個人だけでなく企業にも社冠レースの協力などを願い、ファンの開拓を図りたい」と話している。

提供 - 函館新聞社



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