国有林で大規模土石流 100メートルの沼崩壊 上ノ国町湯ノ岱

update 2007/5/17 12:09

 【上ノ国】上ノ国町湯ノ岱の国有林内で5月上旬、地滑りが原因とみられる大規模な土石流が発生していたことが16日、分かった。多量の土砂が谷を埋めながら、約2キロにわたって流下した。たい積した土砂を含む濁水は、町内を流れる天の川沿いに日本海まで達している。

 町や桧山森林管理署によると、土石流の発生源は七ツ岳(957メートル)の約2キロ北にあった沼付近。国有林を流れる「白水の沢」の最上流部に当たる。現場付近には長さ100メートル、幅50メートルの沼があったが、周辺の地盤全体が幅300メートルのU字状に崩壊。沼の水を巻き込んだ土砂は、土石流となって流下した。沼は完全に消失し、崩壊した土砂は十数万―数十万立方メートルに及ぶ可能性があるという。

 現場は住宅地から離れた山間部。入山者や林道などに被害はなかった。

 天の川流域では2―3日ごろから、上流から多量の濁水が流出。この前後に土石流が発生した模様だ。濁水の発生源を調査していた町と同署が土石流の発生を確認した。

 現場に近い谷沿いでは、樹木の幹に7メートルの高さまで泥が付着。この高さまで土石流が達した可能性があるという。川底は約2キロにわたり厚さ3メートル前後の土砂がたい積。川沿いにあった多数の治山ダムはすべて土砂や流木で埋まっているという。

 土石流は谷沿いで止まっているが、土砂を含んだ濁水が天の川を経て流出し、海まで達している。河口付近では16日も茶褐色の濁りが続いている。

 同署は「治山ダムが機能して土石流は渓流内で停止した。崩壊地や谷に膨大な土砂がたい積しており、短期間での除去は困難。今後は大雨のたびに濁水の流出を繰り返す恐れがある」と話し、現地調査を進めるとともに対策を協議している。

 町内では天の川の水を農業用水として利用。土砂流出に伴う河川流域や日本海沿岸での農漁業被害の発生を懸念する声も上がっている。町でも情報収集を急いでいる。

 七ツ岳周辺は地滑り地帯で、標高600メートル前後の尾根付近では、崩壊跡に水がたまったり、土砂が河川をせき止めたりしてできた沼が多数ある。

提供 - 函館新聞社



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