富岡同居男性殺害長男に実刑判決「悪質だが同情に値」
update 2007/5/16 10:55
母親(46)と共謀して同居する無職男性(当時41)を殺害、遺体を空き地に捨てたとして、殺人と死体遺棄の罪に問われた函館市内の無職の長男(17)に対する判決公判が15日、函館地裁で開かれた。柴山智裁判長は「強固な殺意に基づく冷酷かつ悪質な犯行だが、被害者からの暴力に対する憤まんや、窮状の母を助けたいという心情は同情に値する」とし、懲役2年6月―3年6月(求刑懲役3―5年)を言い渡した。
柴山裁判長は「母親らとともに被害者から繰り返し暴力を受け、許せないという気持ちになり、母親が自分を頼りにしているなどと考え、殺害を決意した」と動機を指摘し、「人命を軽視する姿勢がうかがわれる」と非難した。
また、「事前に母親と殺害の方法や役割を話し合うなど犯行は計画的」と述べ、「被告は母親に実行を促し、積極的に殺害行為を遂行するなど、各犯行で重要な役割を果たし、刑事責任は重い」と断じた。
弁護側は「被害者から自分や母親らへの暴力の差し迫った危険があった」と、過剰防衛を主張し殺人罪での刑の免除を求めていた。柴山裁判長は「被害者は殺害行為の3時間以上前から眠り、(暴行行為の)そぶりも見せていなかった」などと退けた。
一方、被害者について「極めて重大な落ち度が認められる」とし、長男の行為を「利欲的、自己中心的な動機による犯行とは明らかに罪質が異なる」と判断。「短絡性は被告が未成熟であったことの表れともとらえられ、家庭環境は過酷だった」と酌量減軽の理由を述べた。
判決によると、長男は昨年10月19日午前零時半ごろ、同市富岡町の自宅で1階和室で、母親=同罪で函館地裁で懲役7年判決、控訴中=と共謀し、同居していた無職男性の左胸を小刀(刃渡り13・5センチ)で刺し、鼻や口をタオルでふさぐなどして殺害。遺体を近くの空き地に捨てた。
提供 - 函館新聞社
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