おしま地域療育センターが存続危機
update 2007/5/13 14:43
障害児の診断やリハビリテーション、児童デイサービスなどを行うおしま地域療育センター(函館市石川町41、大場公孝センター長)が存続の危機にさらされている。障害者自立支援法施行に伴い、同センターと、運営する侑愛会(本部・北斗市)の経営状態が悪化する見通しになったためだ。併設するゆうあい会石川診療所の高橋和俊所長は「現状のままだと2009年までに閉鎖しなければならない」と危機感を募らせる。
同センターは1985年に渡島・檜山管内の早期療育機関として開設。診療所が併設されていて、診断に合った適切なリハビリテーションや支援が受けられる。同様施設の多くは自治体が運営していて、全国でも数少ない民間施設の一つ。
外来、リハビリを含めた2006年の利用者は約1000人。精神遅滞や脳性麻痺(まひ)、学習障害(LD)のほか認知度の高まりに合わせて自閉症が大幅に増えた。01年に比べ約10倍の369人に上り、全体の約4割。利用者は年々増加し、初診は現在、3カ月待ちの状態という。
函館、北斗両市と七飯町の委託を受け、リハビリなどを実施。医師と看護師のほか、理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士計7人のスタッフが常駐している。
しかし、06年の法施行で20分の訓練に対する医療費は一人当たり800円減った。09年にはさらに150円減ることが決まっていて「人件費にもならない」と高橋所長。
(1)1件当たりの診療時間の短縮(2)当日キャンセルの減少(3)リハビリ受け入れの増加―などで経営の効率化を図る考えだが、「民間には限度がある。人的資源を道南から散出させないよう、近隣市町には公的な仕組みづくりを求めていきたい」(高橋所長)という。
道南の障害児の保護者の多くは同センターを利用して発達相談などを行っているだけに存続問題は切実だ。市民団体「わっとな」の山口照美代表(35)=函館市在住=は「深くまで障害を理解している施設がなくなったら困る」、日本自閉症協会道支部道南分会の■樓(ごろう)礼子会長(49)=七飯町在住=は「道南には代わりになる施設がない。保護者として強く存続を希望し、自治体に公営化を求めていきたい」と話している。※■はにんべん(イ)に吾
提供 - 函館新聞社
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