貿易振興担当発足1カ月「魅力的な商品開発を」
update 2007/5/9 18:22
函館市が本年度から新設した商工観光部商工振興室貿易振興担当の発足から1カ月が過ぎた。民間から任期付き職員として採用された、清水大令(もとよし)参事(58)と萬谷佳恵主幹(49)は、ともに商社や貿易会社で長年培った経験や知識を生かし、地場産品を中心とした函館の貿易振興に意欲を見せている。
貿易振興担当は、清水参事、萬谷主幹と主査の3人体制。任期は2010年3月末までの3年間だが、最大で5年まで更新できる。市内企業からの貿易に関するあらゆるニーズに応えるため、海外バイヤーとの仲介役や、販路・商機拡大をサポートする。4月の1カ月間は、関係機関や地元企業へのあいさつ回りをこなし、現在は現状把握など情報整理に努めている。
清水参事は、小樽市出身。北大工学部卒業後、日商岩井(現双日)に入社。貿易だけでなく1982年から2年間は中東のイエメン・アラブ共和国で上水道の開発プロジェクトにも携わった。
「食べ物、自然環境、温泉と住むには良い街」と印象を語る函館の可能性として、水産物や加工品を挙げ、商品開発の重要性を指摘する。「東アジア各国は経済力が付きつつあり、函館ブランドを広める余地はある」と話し、函館の貿易振興の効果が道内全体に広がることを期待する。
これからの貿易は「世界を相手に競争力を高めていく時代」と言い、経済発展の著しいアジアからの資本流入も想定する。「過去の経験をフルに活用してアドバイスする。意欲のある企業にはこちらからも働きかけていく。いつでも相談してほしい」と話している。
一方、萬谷主幹は釧路市出身で、道武蔵女子短大英文学科卒。06年1月に関西の貿易会社を退職し、北海道に戻った。自宅は京都にあるが、夫は札幌、2人の娘も本州の大学に通い、函館には単身赴任。「元気のない北海道経済に少しでも役に立てたら」と、これまでの経験を発揮しようと意気込む。
世界的にも健康志向が高まる中、豊富な水産資源は魅力的なビジネスチャンスだという。しかし「今ある商品ではなく、輸出先の実情や味覚に合った商品開発が必要」と市場調査の重要性を説く。
萬谷主幹は、水産関連業だけではなく、広くIT(情報技術)関連業や他業種にも貿易機会はあるとし、「国内の販路が頭打ちになってから貿易を始めるのではなく、疲弊する前にチャンスを生かしてほしい。一つでも多くの仕事を実現していきたい」と語る。
提供 - 函館新聞社
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