はたらく乗り物 函館海保「巡視艇ゆきぐも」自慢の「足」で海守る
update 2007/5/8 11:18
函館港や津軽海峡など北の重要航路を管轄する函館海上保安部。海は一見穏やかでも、常に危険がつきまとう。強い風、波、雨、雪、霧…。同海保の巡視艇「ゆきぐも」に出動要請があるのは悪天候の場合がほとんどだ。
ゆきぐもは巡視船より小型の巡視艇に分類され、総トン数149トン、全長31メートル。北野利幸船長(41)ら10人の男たちが乗り組んでいる。領海の警備や密漁取り締まり、海難事故での人命救助など、海上の警察と消防、両方の役割を担う。
同海保に所属する巡視船艇4隻の中で最高の時速約55キロを誇る。船体も軽量なアルミ製。機動力を生かし、昨年の検挙者数は55件・16人に上る。道内の同型巡視艇の中ではトップの実績だ。
任務は“海の警察”の側面が強い。乗組員は防弾仕様のヘルメットや防刃用の救命胴衣を着用。船橋回りにも不審船からの襲撃に備え防弾設備が施され、船の甲板には13ミリ機銃も搭載されている。
一方、ゆきぐもは1978年9月に就役。北村船長は「人間で言ったら、とっくに還暦は過ぎている」と苦笑する。船体や船内に残された多くの傷みが長年の功績を無言で物語る。
すべては海の安全のため―。ゆきぐもに乗り組む海上保安官の思いは一つだ。有事に備え北村船長の双眼鏡を握る手にも力が入る。
提供 - 函館新聞社
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